菅総理に引導を渡した意外な人物 自民党重鎮は「総裁選ではますます派閥の力が強くなる」と断言する根拠

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新総裁、イメージ戦略に騙されるな

 では、新総裁すなわち100代目となる歴史的な総理大臣の座には誰が就くのか。

 党員や国会議員でない我々に決める術はないが、ネットを中心とする世論で大きなプレッシャーをかけることは出来る。

 その上で、これだけは肝に銘じて頂きたい。

 イメージ戦略に騙されるな。

 菅総理が就任した際、メディアは以下のような報道を繰り返した。
 秋田の農家から叩き上げた苦労人。
 かわいいパンケーキおじさん。
 酒もタバコもやらない修行僧。

 このように礼賛した評論家やジャーナリスト、メディアは大いに恥ずべきである。1年経って分かったことは、苦労人のかわいいパンケーキ修行僧と政治力は全くの無関係だったということだ。

 メディアが作り上げるイメージがどれほど無意味で、危険なものですらあるか、昨年、菅礼賛を鵜呑みにしてしまった人々はいま、身に染みているであろう。

 今回の総裁選で、高市さんは毅然としてカッコいいとか、石破さんの話には誠意があるとか、岸田さんは穏やかで頭がいいとか、河野さんは対応が迅速で感性が若いとか、「イメージ」で誰が良いと口にしてしまうようであれば、それこそ政治家の好き勝手を許すことになる。

 総選挙での自民単独過半数、自公政権安定継続が見えてきた。自民党員や公明党員でない多くの国民は、総裁選の電波ジャックに踊らされることなく冷めた視線でコロナ下の、そして将来の日本を見つめたい。

武田一顕(たけだ・かずあき)
元TBS北京特派員。元TBSラジオ政治記者。国内政治の分析に定評があるほか、フェニックステレビでは中国人識者と中国語で論戦。中国の動向にも詳しい。

デイリー新潮取材班編集

2021年9月7日掲載

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