事件現場清掃人は見た 亡くなった方の部屋で発見された引き取り手のない「お骨」の行方

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沖縄に慰霊碑

 これらのお骨は、海洋散骨を行うことを条件に預かることにしているという。

「2年前から海洋散骨を始めました。今では死後、自然に還ることを望む人が増えてきました。実は私自身、死後は海に葬られたいと思っています。それは、たまの墓参りの時だけ故人を偲ぶよりも、海を見たら思い出す方が素敵だと思うからです。私は普段から子どもたちをよく海に連れて行って、『海を眺めたら父ちゃんと母ちゃんを思いだせ』と話しています」

 お骨をパウダー状に砕く『粉骨』をして、海洋散骨を行う。

「その粉を私の故郷である沖縄の海に撒いています。セレモニーは行わず、散骨する時期も場所も任せてもらう分、料金は3万円(税別)で請け負います。そうすれば、お墓を建てたり、永代供養したりすることが経済的に難しい場合でも、多くの人が供養できるでしょう。一般の方からも海洋散骨を請け負い、これまで計30体の海洋散骨を行いました」

 高江洲氏は将来、海洋散骨した人たちの慰霊碑を沖縄に建てることも計画している。

「亡くなった人たちの名前を慰霊碑に刻み、誰でも訪れられる場所にしようと考えています。せめて死後は、亡くなった人が孤独な思いをせずに済めばいいと思っています」

デイリー新潮取材班

2021年8月31日掲載

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