田舎の平屋が1億円? ニュージーランドで不動産価格が暴騰する理由

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 ニュージーランドの国土面積は、日本列島から北海道を引いたぐらいである。国民の平均所得は約826万円と、結構リッチだが、人口は約480万人と福岡県よりも少ない。人よりも羊のほうが多いといわれる所以だが、その「羊の国」の不動産が暴騰しているという。

 現地の駐在員が言う。

「もともとニュージーランドは、人口を増やすために積極的に移民を受け入れてきたことから、不動産の価値もじわじわと上がる傾向にありました。それでも2000年頃は20万NZドル(約1500万円)も出せば、オークランド市中心に一軒家が買えた。土地の広さは500平方メートル、家は3LDKと十分な広さの物件です」

 ニュージーランドでは、日本のような高層マンションは大都市にしかなく、大半が一軒家か、タウンハウスと呼ばれる長屋。現地の人は本宅とセカンドハウスの2軒を所有するのが当たり前だった。それだけ家が安かったのである。

「ところが、ここ数年でアジア系(主に中国)の移民が増えると住宅価格は40万NZドル台に跳ね上がり、毎年10%近い値上がりを続けるようになりました」(同)

 あまりの急騰に18年には、政府が外国人の中古住宅取得を規制したが、不動産熱は収まらない。そこに拍車をかけたのがコロナ禍だというのである。

 ニュージーランドではパンデミックの初期にいち早く全島ロックダウンを強行し、昨年5月から102日間は国内感染者ゼロを達成(現在は100万人当たり1~2名)。10月にはマスクやソーシャルディスタンスも含めたすべての規制を解除している。

 現地で、不動産会社「Goo Property NZ」を経営する一色良子氏によると、

「それを知った海外在住のニュージーランド人が、コロナを避けるために大勢戻ってきたのです。最近では100万NZドルで新築の家を注文したら、建った時に110万NZドルで売れたという話もあります」

 昨今では130万NZドル(約1億円)を突破する物件も珍しくない。

 不動産の値上がりは郊外にも及び、最近では牧場を潰して建てられたタウンハウスも出現しているという。地球にコロナの猛威吹いてNZの地価上がる。羊の居場所が心配になってくる話である。

週刊新潮 2021年8月5日号掲載