江戸木目込の招き猫1万6500円、リカちゃん人形4950円……海外メディアに人気の五輪土産リスト

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 7月23日に幕を開けた東京五輪もあと数日で閉幕。

 後半競技でも次々と勝敗が決して行くなか、帰り支度を始めたのは選手ばかりではない。

 大会期間中に記者や放送関係者の拠点となるメインプレスセンター(MPC)と国際放送センター(IBC)では、連日、土産物屋が活況を呈しているのだという。

 さる五輪担当記者によれば、

「MPCとIBCが入居する有明の東京ビッグサイトには一店舗だけ土産物屋が常設されているのですが、連日行列が絶えません。コロナ対策で入店者数を制限していることも影響しているのでしょうが、入店するまでには大体10~15分ほど待つ必要があるくらい」

 毎日午後10時まで営業している店舗は5坪ほどで、所狭しと様々な土産物が売られているという。

「ベタなもので言えば、Tシャツやポロシャツ。東京五輪のロゴやピクトグラムをあしらったものなどで、価格はどれも3000円超。印象的だったのは、MPCやIBCには体格のいい外国人がたくさんいるからか、MサイズやLサイズと同じ分量で3Lや4Lの在庫が用意されていたことです」

 他にもキーホルダーやマスコット、五輪ロゴが入ったマスクやマグカップ、ハンカチなど定番土産が散見される中、日本ならではの土産物も。

「例えば、東京五輪のロゴが入った提灯が3300円で売られていたり、扇子が3080円で売られていたり。赤と青の本格的な座布団は2728円。さらにロゴをあしらった3980円のけん玉や4950円の日本のユニフォームや浴衣を着せられたリカちゃん人形なんて変わりダネもありましたね。日本人からすれば、そんなもの誰が買うの? と思われるかもしれませんが、コロナ禍で観光にもロクに行けない外国人記者たちにはすこぶる人気なよう。それに記者といえど中国系の方たちの〝爆買い〟は健在で、私が買い物をしている間にも、4000円以上する特大マスコットをこれでもかと買い物かごに詰め込んでいる中国人記者がいました。彼らが街に放たれれば、さぞかし莫大な経済効果を生んだんでしょうがね……」

 さらに、海外から来た記者たちの気持ちをくすぐるのは、店の中の商品だけではないのだという。

「土産物屋には入口に1機、出口に4機の大型自動販売機が設置されいるのですが、この自動販売機で買える商品がまたすごいんです」

 畳二枚分ほどのサイズの自動販売機の中央には大型のタッチパネルが設置されていて、そこで商品を選び、お金を投入すれば取り出し口から商品が出てくるという仕組み。

「タンブラーや湯飲み、マグカップなども売られているのですが、中には高額な商品もあります。例えば、1万6500円もする江戸木目込の招き猫。7480円のミニ兜に、8800円の五輪こけし。だるまはわざわざ福島県の「白河だるま」と群馬県の「高崎だるま」の2種類が用意されていて、それぞれ価格は3300円と4950円。ほかにも伊万里・有田焼のおきあがりこぼしなど。中には一時売り切れになるほど人気の商品もあったんです」

 1万6500円と聞くと高そうだが、招き猫は「江戸木目込人形」の伝統工芸士の手によるものというから相応の値段ということだろう。

 実際、〝五輪招き猫〟を制作した株式会社柿沼人形の担当者は、

「五輪のライセンスを受けた業者に発注していただき、約1000体ほどをお作りしました。うちはひな人形や五月人形も作っているのですが、最近は少子化の影響もあって市場は縮小するばかり。コロナで五輪が延期され、五輪モデルの招き猫もどうなることやらと心配していましたが、外国で日本の伝統工芸品が紹介される機会が増えるのは、とても喜ばしいと思っています」

 MPCやIBC内で活況を呈している場所は他にもあるという。

「観光案内所にも毎日、外国人が詰めかけていましたね」

 新型コロナの影響で〝バブル〟方式が採られている東京五輪。14日間の隔離期間を置いた記者でなければ自由に観光などできないはずだが、

「そういう記者たちのために、一般人と接触せずに回れるバスツアーが用意されているんです。例えば、営業時間前の朝の時間に東京スカイツリーを見学したり、観光船を貸し切ってクルーズをしたり、東京国立近代美術館、国立新美術館をめぐるツアーが用意されていました」

 無観客でも〝おもてなし〟は功を奏したようである。

デイリー新潮取材班

2021年8月8日掲載

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