ひろゆき氏を論破した言語学者 在仏50年超の“F爺”小島剛一氏が語る日本人差別

国内 社会 2021年8月6日掲載

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擁護の発言

《ちなみに「F爺」の意味は、「F国(=フランス)に住む日本人の爺さん」とのこと。ブログで小島氏は、フランスメディアの報道を踏まえ、日本人スタッフの顔に対する嘲笑を「醜い顔の奴ら」、日本語に対する悪罵を「ひでえ言語」、「聞くに堪えん」、ゲーム機を作動させるのに手間取っているスタッフを「お前らの国は、技術先進国なのか。そうじゃないのか」と揶揄したと翻訳した。記事の中で、2選手の極東人や他国の言語に対する差別感情は明白であり、『「冗談」だの「ユーモア」だのという言い訳の通用しないこと』を指摘した》

小島:2選手は弁明を発表しましたが、これも酷い文面でした。開き直りとしか読み取れない内容だったため、7月6日に「動画で日本人を差別する発言をしたサッカー選手Ousmane Dembéléウスマン・デンベレとAntoine Griezmannアントワーヌ・グリズマンの卑劣な『謝罪した振り』」の記事をアップしました。

 すると、普段は見たこともないような読者数になりました。思わず私が「炎上した」と発言すると、年下の友人が「炎上は小島さんの発言に問題がある時です。内容に共感した人が大多数なので、そういう時は『バズった』って言うんですよ」と教えてくれました(笑)。

《サッカーのフィリップ・トルシエ元日本代表監督(66)のもとで、通訳を務めていたことでも知られるフランス人ジャーナリスト、フローラン・ダバディ氏(46)や、複数のフランス人ユーチューバーなど、「日本語ができるフランス人」は「悪質な人種差別だ」と口を揃えた。

 その一方で、ひろゆき氏は動画に出てきた「putain」という言葉は強調の意味でも普通に使われるとし、日本語の翻訳時に本来の意味と離れた可能性を指摘した。芥川賞作家の辻仁成氏(61)も自身のブログで、差別発言の報道は誤訳を元にした可能性があると警鐘を鳴らし、侮蔑的な発言についても「クソガキならこのくらい言う」と感想を綴った》

フランス語のレベル

小島:日本の友人から、ひろゆき氏と辻氏の発言内容を教えてもらいました。誤りを指摘する記事をブログに掲載しました。7月7日に配信した「日本人・極東人差別者デンベレとグリズマンを擁護する不可解な日本人」です。

 ひろゆき氏の「putain」に関する発言は完全に間違っています。強度の侮蔑語・罵倒用語・悪罵用語であり、こんな単語を普通に強調の意味で使う人がいたとしたら、たちまち「無教養」とか「無頼漢」と烙印を押されます。

 辻氏のブログも拝見しました。氏が記述した動画の聞き取りは、フランスのメディアが報じたものとは違いました。フランス語の文法が身についていれば、犯さないはずの誤りも散見しました。

 率直に申し上げて、お二人のフランス語のレベルは、かなりひどいものです。フランス語が話せず、書けない人が、フランス人が差別したかどうかを判断できるはずもありません。ところが、ご自身のフランス語能力を過信し、必死に選手を擁護しました。一体、そんな虚報を伝えて、どんな利益を見込んでいるのか──こんなことを記事に執筆しました。

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