【東京五輪】序盤戦の金メダル候補を一挙紹介 第一号は誰か?

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柔道は「続々」と予想

 女子シングルスは世界ランキング3位の奥原希望と同5位の山口茜がいずれも金メダル候補と言っていいだろう。リオ五輪で銅、2016全英オープンで優勝している奥原への期待が高いが、私は山口茜の飄々とした闘いぶり、相手の動きや攻撃を予め読んでいるプレースタイルに心を惹かれる。両者の対戦成績は奥原11勝、山口8勝。どちらが金メダルを獲っても不思議ではない。リオ五輪では準々決勝でふたりが対決、奥原が勝ってメダルを手にした。東京大会も組み合わせが発表され、二人は順当なら準々決勝で対戦する。本当は決勝での対決を期待したが、いずれかが準決勝に進出するということは、日本のメダルひとつ獲得の可能性が高くなったともいえる。

 リオ五輪でタカマツペアが金メダルを獲得して話題となった女子ダブルスは、日本勢同士の決勝対決の金メダル争いが期待されている。6月時点の世界ランキングで、福島由紀・廣田彩花のフクヒロペアが1位、松本麻佑・永原和可那のナガマツペアが2位。世界選手権ではナガマツペアが2018、2019と連覇を飾っているが、昨年12月の全日本総合選手権ではフクヒロペアがナガマツペアを破って優勝している。オリンピックの金メダルを日本人ペア同士が争う姿を見たい。

 柔道は、続々と金メダル候補が登場する。

 25日は、注目の阿部兄妹が登場。男子66キロ級の阿部一二三、女子52キロ級の阿部詩(うた)。兄妹同日金メダルが実現するか。阿部は丸山城志郎との緊迫した代表決定戦に勝ってのオリンピック出場。ライバルの思いも携え、負けられない。

 さらに、男子73キロ級はリオ五輪の覇者・大野将平、男子81キロ級は永瀬貴規、男子90キロ級は向翔一郎、男子100キロ級のウルフ・アロン、男子100キロ超級の原沢久喜まで、すべてメダルそして金メダルを期待されての出場だ。女子は57キロ級の芳田司、63キロ級の田代未来、70キロ級の新井千鶴、78キロ級の浜田尚里、78キロ超級の素根輝。そしてもうひとつ、今大会から採用された柔道混合団体での金メダルは確実と見られている。今年6月に開催された世界選手権の混合団体で日本は4連覇を果たした。五輪代表を温存しての優勝。全種目を通じて、最も金メダル確率の高い種目といってもいいだろう。混合団体は柔道競技の最後を飾る7月31日に予定されている。この種目で優勝し、柔道だけで7個の金メダルは獲れるだろうと期待されている。

 25日には新種目のサーフィンが始まる。男子はカリフォルニア生まれの五十嵐カノア、女子はハワイ生まれの前田マヒナに期待。五十嵐カノアは2018ワールドゲームズ準優勝のほか、カリフォルニアのプロ大会で数々の優勝を果たしている。今大会でも金メダル候補のひとりだ。

 競泳も24日夜には予選が始まり、25日の午前には最初の金メダルが決まる。

 日本最初の期待は男子400メートル個人メドレー。リオ五輪で金メダルを獲得した萩野公介が連覇を狙って登場する。リオ五輪の後、一時競技を離れるなど苦しい時期を越えて、萩野がどんな泳ぎを見せるのか、注目したい。

小林信也(こばやし・のぶや)
1956年新潟県長岡市生まれ。高校まで野球部で投手。慶應大学法学部卒。「ナンバー」編集部等を経て独立。『長島茂雄 夢をかなえたホームラン』『高校野球が危ない!』など著書多数。

デイリー新潮取材班編集

2021年7月23日掲載

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