熱海土石流、地元で囁かれる“人災”説 太陽光パネルで地盤が脆弱に? 運営会社の言い分は

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「大きなソーラーパネルが斜面にズラッと並んで…」

 7月3日に静岡県熱海市伊豆山(いずさん)で起きた土石流災害では、現在までに7名が死亡、20名以上が安否不明となり、依然救出作業が続いている。そんな中、土石流の原因となった「盛(も)り土(ど)」を巡り、地元では“人災だ”との声が強くなっているのだ。

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 発生翌日に現場を視察した静岡県の難波喬司副知事は、今回の災害について「山林開発の影響はあると思う」と、人為的な要因があったことを示唆。そして災害の元凶だと盛んに報じられているのが、土石流が起きた逢初(あいぞめ)川の上流にあった造成地、いわゆる「盛り土」の崩壊である。地元住民によると、

「盛り土の上にある道に沿って尾根の方に歩くと、大きなソーラーパネルが斜面にズラッと並んでいて、太陽光発電所になっていたことを知りました。大きなダンプカーがたくさん入っていくから、てっきりマンションでも建設しているのかと思っていたけど、このためだったのかと……」

 崩落した場所のすぐそばに建設されていた、太陽光発電所。斜面の木々を伐採してソーラーパネルを設置すれば、樹木の根が張ることで維持されてきた山の保水力が低下するのは明白だが、果たして盛り土の崩壊との関係はあるのか。発電所を運営する企業の代理人に取材すると、

「太陽光発電の施設に降った雨水は、土砂崩れのあった逢初川とは別の方角に流れるよう傾斜をつけて工事をしたので、盛り土崩落とは無関係であることを強調したい。10年以上前に、太陽光発電の敷地を含む40万坪の土地を購入しましたが、その一部に崩落した盛り土があるということは知らず、びっくりしている。盛り土が出来上がった後に購入したわけですから、欠陥のある土地を売りつけられたのならば、前所有者の責任を追及しないといけないかもしれない」

 7月8日発売の週刊新潮では、さらに、疑惑の「盛り土」を造成した“前所有者”についても追及。濁流から危機一髪で逃れた被災者や、“次に危ないエリア”など、6ページにわたって熱海土石流災害を特集する。

週刊新潮 2021年7月15日号掲載

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