乃木坂46「山崎怜奈」、選抜経験ゼロでも不遇と言われた2期生“最後の期待の星”

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 6月9日に発売された乃木坂46の27枚目シングル「ごめんねFingers crossed」は初週推定売上70万枚を突破し、その人気ぶりを改めて立証した。国民的人気女性アイドルグループの地位を不動のものにした感もあるが、そんなグループにあってファンから“不遇の”という枕詞つきで紹介される存在がある。2期生だ。

 2011年8月に誕生した乃木坂に2期生が加入したのは13年3月のこと。12年12月に募集オーディション開催の告知がなされ、勝ち抜いた14名が合格となった。ところがこの2期生は最初から正規メンバーというわけではなかった。当時は“研究生”というシステムが採用されていたのである(のちに加入する3期生や4期生にこの研究生制度はなく、最初から正規メンバー扱いとなっていた)。

 13年11月に発売された7thシングル「バレッタ」のセンターに2期生の堀未央奈(24)が抜擢され、正規メンバーに昇格する。最終的には15年2月に研究生だった2期生全員が正規メンバーへ昇格するのだが、お披露目からおよそ2年近くもかかっていることになる。だが、その後も選抜メンバー常連組といえるのは堀と最年長の新内眞衣(29)の2人のみ。その堀も前作「僕は僕を好きになる」を最後にグルーブから卒業してしまい、今作「ごめんねFingers crossed」で選抜入りした2期生は、新内ただ1人となってしまった。

 中には1度も選抜入りすることなく卒業してしまったメンバーもいる。すでに卒業を発表している伊藤純奈(22)と渡辺みり愛(21)を除けば、今や残る2期生はたった5人となってしまったのである。

 そもそも2期生が加入した時期は、なんとかグループの知名度を上げていかなければならない時期だった。今ではエースにまで成長した齋藤飛鳥(22)は当時アンダーで、生駒里奈(25)や白石麻衣(28)、松村沙友理(28)ら1期生がどんどんテレビなどで露出を増やしていったときなのである。

 一方、3期生オーディションの開催が発表されたのは16年7月だが、すでに15年末のNHK「紅白歌合戦」にグループは出場を果たしていた。AKB48を追い越す勢いだった乃木坂46は何をやっても大きなニュースになるため、3期生のオーディションも最初から注目度が高かった。2期生加入時と比べると乃木坂46に対する注目度が圧倒的に違った。新たに加入した3期生に大きな注目が集まり、2期生がかすむのは無理もなかった。

 そして女性アイドルグループの宿命ともいえる“世代交代”の時期が、まさに今、乃木坂46にも訪れている。3・4期生メインにシフトチェンジしつつあり、これまでグループを支えてきた1期生がサポートに回っているというのが現状だ。2期生はこうした先輩と後輩の狭間に埋もれてしまった存在なのである。

そんな2期生の希望は…

 そんな“不遇の2期生”にあって、最後の希望ともいえる存在がいる。山崎怜奈(24)である。“れなち”や“ザキさん”など30を超える愛称を持つ彼女は、クイズ番組などに出演していることもあり、グループのファンでなくとも知ってる人は多いだろう。だが、実は乃木坂46に加入してから一度も選抜経験がないのだ。

 山崎は97年5月21日、東京都江戸川区の出身。乃木坂46に2期生として加入後、15年2月に研究生から正規メンバーに昇格した。だが、学業に専念するため、同年6月から活動を一時休止。慶應義塾大学に合格し、芸能活動を再開した。するとインテリアイドルとして評価され、「Qさま」(テレビ朝日系)などのクイズ番組に出演するようになって、徐々に注目されるようになる。

 グルーブ随一の歴女でもあり、“歴ドル”として歴史関係の教養番組からも引っ張りだことなった。19年5月からひかりTVチャンネル+で冠番組「乃木坂46山崎怜奈 歴史のじかん」の放送も開始された。約1年で終了したものの、21年2月にこの番組を基にした歴史本『歴史のじかん』(幻冬舎)を発売すると、発売前重版が決まっている。

 ラジオのヘビーリスナーで日本各地の放送を聴いていたということから、ラジオでも活躍のフィールドを広げている。昨年10月からラジオの生放送ワイド昼帯番組「山崎怜奈の誰かに話したかったこと」(TOKYO FM・毎週月~木・13:00〜14:55)で、自身初のパーソナリティを務めているが、番組のレギュラー就任はグループのメンバーで初。しかも番組名に“乃木坂46”というグループ名がついていない。番組のトークは好評で、偶然聴いた有吉弘行も自身の番組で絶賛したほどなのだ。

 そのほか、テレビでは「通販だけ生活」(7月より「春菜ザキさんのタダの通販じゃねーよ!」、テレビ朝日系)と「東京GOOD!」(テレビ東京系)という2本のレギュラー番組を持っている。つまり今、乃木坂46の中で一、二を争うほど多忙なメンバーといってもいい。彼女のこうした活躍は乃木坂46の新規ファン開拓にもつながっている。ネット上などではクイズ番組で彼女のことを知って好きになり、そこから乃木坂46に興味を持ったという声が後をたたないのだ。

 グループに貢献しているという意味でも貴重な存在なのだが、それでも選抜経験ゼロなのがファンからすると不思議である。

 次の28枚目シングルでは待望の選抜入りがあるかもしれない。というのも、今作のカップリング曲として収録されたアンダー楽曲「錆びたコンパス」で、自身初のセンターを務めているからだ。これだけ努力しているのだから、卒業する前に1度でも選抜入りを果たして欲しいと強く願っているファンは多い。

 山崎は乃木坂46において、唯一無二の存在である。ほかのメンバーと比べてみると、決して歌唱力やダンスに秀でているわけではない。キャラクターが強烈でもない。しかし、自分の趣味や好きなことを仕事で次々と実現させて、新たなアイドル像を確立させたといえるのではないか。

上杉純也

デイリー新潮取材班編集

2021年7月6日掲載

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