「肺がん患者」と「腸内フローラ」の意外な関係 最新研究を角田卓也・昭和大教授が語る

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クラウドファンディングで資金を募る

 そこで角田教授は、肺がん患者の腸内フローラを調査する医師主導治験を行うため、目下、クラウドファンディングで2000万円の資金集めに奔走しているという。

「現在、日本人の死亡率が第1位の肺がんは、免疫療法がメインの治療法です。しかし、ステージ4の患者の5年生存率は18%程度に過ぎません。この生存率を高めていくための一つの可能性が腸内フローラと免疫療法の関係を研究することでしょう。実は、食が多様な日本人は、世界一の腸内フローラを持っていると言われています。繊維を多く摂取していることや発酵食品を食べることも影響しているのではないかと考えられていますが、これも実際のところはよくわかっていません」

 腸内フローラと免疫の相関関係が明らかになれば、治療を始める前に効果のあるなしをある程度、予測できる可能性が生じる。さらに、腸内フローラを改善することで治療効果を高めることも期待される。

 7月9日を期限とした資金集めが成功すれば、厄介な肺がんに全く新しい治療法が見つかるかもしれないのだ。

デイリー新潮取材班

2021年7月1日掲載

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