オリックス「イチロー以来」のVへ快進撃 中嶋聡監督の驚くべき“手腕”

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 今年も混戦となっているパ・リーグだが、ここへ来て台風の目となっているのがオリックスだ。開幕当初は下位に沈んでいたが、セ・パ交流戦では2010年以来となる2度目の優勝を果たすと、リーグ再開後もその勢いは衰えることなく6月23日には実に37年ぶりとなる11連勝を飾った。

現有戦力の見直しと若手の底上げ

 オリックスが最後にリーグ優勝を果たしたのは、仰木彬監督がチームを指揮し、イチローなどが主力として活躍した1996年。その後3年間はAクラスを維持していたが、2000年以降の20年間でBクラス18回と苦しいシーズンが続いている。また、この期間、シーズン中に監督交代、もしくは監督代行が指揮を執ることになったケースが5度もあるというのも、チームの迷走ぶりをよく表している。

 こうした暗闇から抜け出して、今シーズンの躍進のきっかけとなったのは、昨シーズン途中から指揮を執る中嶋聡監督(昨年は監督代行)の手腕によるところが大きいのではないだろうか。

 オフには、平野佳寿や能見篤史、ロメロといった実績がある選手を補強しているが、それ以上に大きいのは、現有戦力の見直しと若手の底上げを両立した点である。

 野手で代表的な選手は、6年目の杉本裕太郎だ。二軍では結果を残しながらも、一軍に定着できないシーズンが続いていたが、昨年、中嶋監督代行が指揮を執るタイミングで一軍昇格を果たすと、キャリアハイとなる34安打をマーク。今シーズンは4月下旬から4番を任されることが増え、ここまでチームトップのホームランと打点をマークしている。

 社会人を経てドラフト10位で入団し、今年で30歳という年齢を考えると、見切られてもおかしくない状況だったが、チームに最も不足している右の強打者タイプということもあって、我慢して起用し続けたことが大きな成果に繋がったといえる。

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