事件現場清掃人は見た 「30代男性」が自宅アパートで“完璧な自殺”を選んだ理由

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初めての経験

「荷物もきれいにまとめてあり、生活感もありませんでした。まだ30代と若かったのに、エッチな雑誌も一切ありませんでした。恐らく、人に見られて恥ずかしいものはすべて処分したのでは。用意周到に準備してから自殺したのでしょう」

 亡くなった男性は、大学時代からこのアパートで暮らしていたという。

「男性は気が優しく、几帳面な性格だったそうです。ずっと一人暮らしで、訪れる人が少なかったため、大家さんも何かと男性のことを気にかけていたそうです。それもあって、男性は大家さんに迷惑をかけないように、完璧と言えるほど準備を整えて自殺したのでしょう。亡くなって1週間も経っているのに、臭いも汚れもない部屋というのは、初めての経験でした」

 高江洲氏は部屋を消毒し、遺品整理を行った。

 大家は心配して、こう尋ねたという。

「こういう部屋に今後、借り手はつくのかしら?お部屋をリフォームすると、60万円もかかるって聞いたけど、遺族が払ってくれるのかしら?」

 それに対し、高江洲氏は、

「大丈夫ですよ。亡くなった男性はちゃんと後のことを考えて、どこも汚していませんから、リフォームする必要はありません。葬儀社から60万円かかると聞いたのでしょうが、私の見積もりでは20万円です」

 と、答えた。

デイリー新潮取材班

2021年6月18日掲載

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