「ミスをおかす」のネイティブな表現は? 在米医師が教える生きた英語

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 コロンビア大学医学部外科教授であり、ニューヨークのトップドクターとして知られる加藤友朗医師。『ネイティブを動かすプレミアム英会話50』(新潮社)の著者でもある加藤氏が日常で出会う“ネイティブ英語”を紹介。

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 日常の会話でもビジネスの会話でも時代によって使われる表現は変遷していきます。日本語でもそうですが、ビジネスの世界に特有の流行り言葉があります。僕は最近コロンビア大学でMBAをとりましたが、最初に耳についたのが“space”という言葉。healthcare space、social media spaceなど何かしらの分野や市場を指して使う言葉ですが、とにかくプロフェッサーも学生もみんな使っていました。healthcare field、social media marketと言ってもよいところをあえて“space”と言うのが今風のようです。

 さて今回から4回連続でDr. EdwardとDr. Loveの一対一のミーティングの会話を通してビジネスに役立つ表現を紹介していきます。第1回の今回はdrop the ball。直訳では「ボールを落とす」ですが、何かしらの仕事で「やることを忘れる」「途中で投げ出す」「ミスをおかす」ことを意味します。この表現はおそらくアメリカンフットボールやラグビーでボールを落とすことからきています。ballを使った表現はたくさんありますが、その中でも特によく使う表現の一つですので、ぜひ覚えて使いこなせるようになってください。

 drop the ballの使い方の例は“I know I dropped the ball on this one. I was just so overwhelmed this month.”「この件については私がやるのを忘れていました。今月はずっと忙殺されていました」や、“Did the government drop the ball on their initial quarantine policy in response to the COVID pandemic?”「政府は新型コロナウイルスのパンデミックに対する初期の隔離政策でミスをおかしたのか?」などです。

 では練習問題です。(答えは下)

1.日本語に訳すと?

“Whatever you do, don’t drop the ball, we are all counting on you.”

2.drop the ballを使って英語で言うと?

「これは受け入れられない。誰がミスをしたのかを突き止めなければいけない。」

加藤友朗(かとうともあき)
コロンビア大学医学部外科教授。東京大学薬学部、大阪大学医学部を卒業後渡米。世界初の多臓器摘出体外腫瘍切除手術を成功させ、ニューヨークのトップドクターとして世界中から集まる患者の命を救う。『ネイティブを動かすプレミアム英会話50』(新潮社)が発売中。

週刊新潮 2021年6月10日号掲載

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