若手投手が次々と…ソフトバンク工藤監督、「使い捨て起用」の大問題

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「現在のプロ野球で最強チームは?」と聞かれたら多くの人がソフトバンクだと答えるだろう。2018年からは西武にパ・リーグ連覇を許したものの、ポストシーズンでは圧倒的な強さを見せており、現在日本シリーズでは4連覇中である。しかし、これだけの結果を残しているにもかかわらず、指揮官の工藤公康監督に対して“名将”という声があまり聞こえてこないことも、また事実である。

キャリアハイが13勝

 工藤監督が就任してから昨年までのチーム防御率のリーグ順位を見てみると1位、2位、1位、4位、1位、1位と推移しており、強力な投手陣がチームを支えていることは間違いない。これだけの結果を出しているのだから文句はないだろうという意見も当然あるかもしれないが、気になるのは、続けて結果を残している投手が意外と少ないというところだ。工藤監督が就任して以降、二桁勝利をマークした投手は9人いるが、彼らの各年の勝ち星を並べてみると、以下のようになっている。

武田翔太:13勝、14勝、6勝。4勝、5勝、2勝
スタンリッジ:10勝(2015年限りで退団)
摂津正:10勝、2勝、0勝、2勝(2018年限りで引退)
千賀滉大:2勝、12勝、13勝、13勝、13勝、11勝
和田毅(2016年に復帰):15勝、4勝、0勝、4勝、8勝
東浜巨:1勝、9勝、16勝、7勝、2勝、9勝
バンデンハーク:9勝、7勝、13勝、10勝、2勝、2勝
石川柊太:0勝、0勝、8勝、13勝、0勝、11勝
高橋礼(2018年に入団):0勝、12勝、4勝

 3年以上安定した成績を残したのは、外国人のバンデンハークを除くと千賀だけ。その千賀も小さな故障が多く、キャリアハイが13勝というのは日本を代表する投手としては少ない印象を受ける。

 武田が2017年以降完全に頭打ちとなり、東浜もエース級の成績を残したのは2017年だけ。将来のエース候補として1位で指名した松本裕樹、高橋純平、田中正義、吉住晴斗などは先発ローテーションに加わることもできていない。チーム成績、チーム防御率の割には、それほど強力なローテーションを作ることができていないことがよく分かるだろう。

 安定した先発投手の数が少ないということは、それだけブルペンが頑張っているということである。過去6年間のホールド数とそのリーグ順位は106(1位)、89(3位)、125(1位)、95(4位)、137(3位)、120(1位)と、常に上位をキープしている。強力なリリーフ陣を備えていることは短期決戦の強さにも繋がっており、チームの大きな強みの1つと言えるだろう。

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