「アタック25」 6年ぶり「パーフェクト」を達成した東大卒弁護士の“クイズ道”

エンタメ 芸能 2021年6月2日掲載

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勝負所の「アタックチャンス」

 25枚すべてのパネルを獲得する「パーフェクト」達成者は、1975年の放送開始から46年の歴史で松永さんを入れてたったの14回。実にその確率は1パーセント以下である。番組プロデューサーの山口正樹氏が語る。

「狙って出るものじゃないです。4人で戦いますので駆け引きが複雑に絡み合います。正答数だけではなく、どこで正解をするかが重要なポイント。実際、松永さんも序盤は苦しんで、他の出演者に先行されていました。出題内容も、歴史、時事、芸能などバラエティに富んでいますので、秀才だけが勝てるわけではありません」

 今回は“敵失”にも、助けられたと松永さんが振り返る。

「他の出場者が、『角』が取れたのに、なぜか別のところを選ぶようなミスをした場面がありました。あれはラッキーでした」

 オセロと同様、この番組はいかにして角を押さえるかが勝敗を分ける重要なポイントとなる。山口プロデューサーによれば、スタジオで緊張してしまい、このような失敗をしてしまう出演者が実は多いとのこと。こうして角も含めて徐々にパネルを埋めていった松永さんであったが、終盤で最後に残されていた角を敵に取られてしまうピンチもあった。だが、ここから松永さんは本領を発揮していく。

「なんといっても、『アタックチャンス』をモノに出来たのが大きかった。あのあたりから、もしかしたらいけるかもと、パーフェクトを意識し出しました」(同)
 
 アタックチャンスとは終盤で出題される、正解すれば敵のパネルを一枚消すことができるボーナスクイズ。松永さんはこの勝負所で正解、敵に取られた角を奪うことに成功したのだ。この時点で残されたパネルは4枚。

法廷でも見せる“早押し”技術とは……

 その後も破竹の勢いで連続正解を重ね、最終問題へ。ラストも緊張を払いのけ、答えが分かるところまで聞いてから早押しし、正解の「ゴッホ」を解答。見事、パーフェクト賞100万円を獲得したのだった。さて、思わぬところから舞い込んできたこのボーナスは何に使う?

「あんまり物欲がないんですよね。勝者にはCITIZENから腕時計が貰えるんですが、早速使わせていただいています。ダイヤモンドのネックレスも頂きましたが、渥美弁護士にあげました。うーん、賞金の使い道はどうしましょうかね。クイズの本でも買いましょうかね。万一、またクイズ番組からお声がかかった時に、『パーフェクト達成者』として恥をかきたくないですしね。つまんなくてすみませんね!」

 事務所にはクイズ関連の本が何十冊も置かれているが、すべて松永弁護士が買い揃えたものだという。中でもオススメは「ナナマルサンバツ」(KADOKAWA)という、クイズで競い合う中高生たちの青春を描いたコミックスとのことだ。

「作中では、個性的なキャラクターたちがクイズを華麗に解いていきます。私は、これまで本格的なクイズの経験はありませんが、この漫画を読むと自分でもクイズがやりたくなってきます。ベタ問(よく出題される問題)など、クイズが強くなるための知識についても多く言及されています」(同)

 そう語る松永さんは、記者にスマホの早押しクイズアプリを見せ、「昨日インストールして練習しているんですよ」と次に向けてやる気満々の様子だ。そんな松永さんを見て、上司の渥美さんはこう笑うのであった。

「法廷での尋問の時も、私が『ん? この質問はちょっと?』って違和感を持った瞬間に、彼はすくっと立ち上がって異議を出しています。あの瞬発力は、もしかしたら早押しクイズで磨かれたものかもしれません」

デイリー新潮取材班

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