昭和にも「大谷翔平」がいた? ファンの度肝を抜いた“投手の強打者”列伝

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「昔の大エースの野球だよ」

 このほか、投手では、金田に次ぐ通算35本塁打を記録した別所毅彦(南海→巨人)、さらに33本塁打の米田哲也(阪急→阪神→近鉄)、25本塁打の平松政次(大洋)、21本塁打の堀内恒夫(巨人)が上位5傑となっている。また、“燃える男”星野仙一(中日)も通算15本塁打を記録。これは8位タイだ。

 近年では川上憲伸(中日→ブレーブス→中日)も、598打数83安打30打点8本塁打の通算打率.139(日米通算)と成績こそ今ひとつだが、ブレーブス時代に日本人の投手として初めて代打に起用されるなど、打撃センスは光るものがあった。

 3安打13奪三振で完封勝利を挙げた04年5月15日の横浜戦では、7回に自らのバットで決勝2ランを放ち、「自分で投げて打って、昔の大エースの野球だよ」と落合博満監督を脱帽させている。

 今季のセ・パ交流戦は、セ・リーグの本拠地ではDH制が採用されず、パ・リーグの投手も打席に立つ。ひょっとすると、意外な強打者が登場するかもしれない。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍「プロ野球B級ニュース事件簿2020」上・下巻(野球文明叢書)

デイリー新潮取材班編集

2021年5月29日掲載

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