米韓会談は成果ゼロどころかマイナス 日本との対応差にしか活路を見出せない文在寅の外交センスのなさ

国際 韓国・北朝鮮

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菅首相のハンバーガーを揶揄したが

「ワクチン供給は在韓米軍に接触する韓国軍への対応であり、米国の利益にもつながるものです。対中国においては、会談前にバイデン大統領は文大統領を朝鮮戦争に従軍した陸軍退役大佐への名誉勲章授与式に参加させ、米韓両国に対する同氏の功績をたたえましたし、“米国と韓国は一緒に犠牲を払った長い歴史をもつ同盟だ”と語り、朝鮮戦争やベトナム戦争を共に戦った強固な同盟をアピールしていました」

 共同声明には、日米首脳会談のように中国を名指しする批判はなかったが、

「〈(両首脳は)台湾海峡の平和と安定を維持する重要性を強調する〉と言及はされました。さらに、対中牽制を意識した日米豪印(Quad)の重要性の認識についても盛り込まれています。米国側は対中姿勢に慎重な考えを示す文大統領に配慮しつつも、中国に対する最低限の意思表示は文大統領に行わせている。これから韓国側は中国への言い訳外交に追われることになるでしょう」

 保守系の朝鮮日報からは「虚言に終わったワクチン・スワップ」と批判されるなど、特に実利ある結果をもたらすことができなかったとなると、日本との対応の差に成果を見出す他ないのだろう。

 21日の会談では、バイデン大統領が文大統領のことを「首相(Prime Minister)」と呼ぶミスはあったものの、終始和やかな雰囲気だったという。昼食には文大統領の好みを事前に伝えていたせいか、カニ肉を使ったメリーランド州の名物料理“クラブケーキ”が登場。ソーシャルディスタンスを取ることなく行われた“ノーマスク会談”は、当初予定していた時間を17分もオーバーし、計37分にもわたった。

 日米首脳会談時は、菅首相に対する呼称ミスはなかったが、菅首相は出されたハンバーガーに手も付けずに会談は20分で終了している。ソーシャルディスタンスを取り、バイデン大統領は二重マスクをしていたという。

 文大統領はもちろん、韓国メディアもそういった点を列挙し、「日本以上の待遇を受けた」と手放しで喜んでいるようだが、そのさまは滑稽にさえ映る。

羽田真代(はだ・まよ)
同志社大学卒業後、日本企業にて4年間勤務。2014年に単身韓国・ソウルに渡り、日本と韓国の情勢について研究。韓国企業で勤務する傍ら、執筆活動を行っている。

デイリー新潮取材班編集

2021年5月26日掲載

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