「ビル・ゲイツ」離婚の「相続税対策」説を検証 「相続税回避という発想自体ないのでは」 

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 このGW中に熟年離婚を明らかにしたマイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツ(65)。長年、おしどり夫婦と言われ、何より資産は14兆円と天文学的な数字に上るため「相続税対策」なんて憶測が飛び交っている。

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 ゲイツが、マイクロソフトの社員だったメリンダ夫人(56)と結婚したのは、27年前のこと。働き詰めに働く夫に対し、妻は3人の子を育て、また、夫婦で創設した慈善団体の活動でやはり多忙な日々を送った。在米ジャーナリストによれば、

「ゲイツにはアンというガールフレンドがいましたが、結婚を機に別れ、以来、浮いた話は聞かれません。欧米メディアはこの夫婦を“マツダ車のようなカップル”と評していました。派手さはないけど、安定しているという意味ですね」

 それが突然、離婚を発表。原因も未だ判然としないから、ネット上には「相続税対策の偽装離婚」と書いた記事も散見されるのである。

マックとコーラ

 確かに日本同様、アメリカでも離婚に伴う財産分与は非課税。対して、

「日本でいう相続税は『遺産税』という名で存在します。最高税率は40%ですね」(在米弁護士)

 ゲイツの死後に妻が相続するより、離婚で分与してもらった方が圧倒的に安上がりなのは確かだが、

「その見立ては考えにくい」

 とは、米弁護士資格も持つケント・ギルバート氏。

「65歳と若いし、何よりゲイツは財産を残すことに恬淡(てんたん)としている。財産の95%寄付を宣言しているくらいですからね。相続税回避という発想自体がないのでは」

 先の弁護士も、

「彼は寄付も含めたあらゆる資産管理を、世界トップレベルの弁護士たちに任せている。課税回避をするなら、もっと複雑でしっかりしたスキームで行いますよ」

 そもそもゲイツは贅沢に関心が薄く、好物はマクドナルドのチーズバーガーとダイエットコーク。離婚までして税を逃れる、というタイプとは程遠いのだ。

「通常の財産分与ならメリンダは半分を得ることができます。事前に取り決めがあればそれに従う」(同)

 いずれにせよ、夫妻の手に残りの人生で使いきれない富が残ることは間違いない。

週刊新潮 2021年5月20日号掲載

ワイド特集「土俵際の人たち」より

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