【ブックハンティング】「模倣」で読み解くポピュリズムと権威主義

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 1965年にブルガリアに生まれた政治学者のイワン・クラステフは、首都ソフィアの「リベラル戦略センター」理事長、オーストリア・ウィーン「人間科学研究所」の常任フェローという肩書を持つが、研究者としてよりもむしろ、政治コラムニスト、文明批評家として、欧州で最も注目を集める人物である。

 ある政治現象を、一見突飛なものと比較しつつ、特徴を浮き彫りにする。古今東西の文化や芸術になぞらえ、スラブ文学に特徴的なブラックユーモアを交えて描く。

 その手法の鮮やかさは以前から欧米の研究者やジャーナリストの間で有名だったが、『アフター・ヨーロッパ』(2018年、庄司克宏監訳、岩波書店)、『コロナ・ショックは世界をどう変えるか』(2020年、山田文訳、中央公論新社)と、邦訳が近年相次ぎ、日本でも広く知られるようになった。...

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