英空母クイーン・エリザベス初の本格航海で、日本が韓国との関係を見直す契機になるワケ

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韓国にも寄港する

 英国防省は4月26日、空母「クイーン・エリザベス」を中核とする空母打撃群をインド太平洋地域に派遣する計画を発表した。クイーン・エリザベスは韓国にも寄港する予定だが、日本が韓国との関係を見直す契機になる可能性がある。

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 空母「クイーン・エリザベス」は、2017年に就役した英国軍史上最大級の軍艦で、初の本格的な航海となる。遠征には駆逐艦や潜水艦などと、米海軍の駆逐艦、オランダ軍のフリゲート艦が同行する。

 また、英軍と米海兵隊の戦闘機「F35B」を搭載し、日本に寄港するほか、自衛隊や米軍などとの合同演習が予定されている。

 航海の主たる目的は、中国の香港に対する弾圧の牽制や日米が進める中国包囲網への協調で、フランスの軍艦も日本に向けて出港した。

 ところで、クイーン・エリザベスは韓国にも寄港する予定だが、日本が韓国との関係を見直す契機になる可能性がある。

 どういうことかについて、同盟を軸に考えてみたい。

 日本の同盟国といえば、もちろん米国である。

 そして韓国と米国も同盟関係にある。日本と韓国とは同盟ではなく、あくまでも米国を間に挟んだ形での「同盟もどき」的な関係にあると言っていいだろう。
 
 これらの関係性、あるいは日本の立ち位置は戦後、国際情勢に応じて大きく変化してきた。

 以下、大づかみで流れを見てみよう。

日本が外圧から解放された瞬間

 世界は1980年代まで軍事が経済に優先していた。英米仏などの西側と旧ソ連を中心とする東側の冷戦が続いていた。

 西側に属しながら軍事行動に参加しなかったことは、米が日本に経済制裁をする一つの背景となっていた。

 日本は参加しない事由として憲法9条を挙げていたが、憲法はそもそも国内問題で、西側諸国からすればGHQの占領下で作られた憲法を改正しないこと自体が不可解だっただろう。

 現に日本と同じ敗戦国のイタリアは1949年、西ドイツも1955年、北大西洋条約機構(NATO)に加盟し、軍事行動に参加していた。

 軍事に予算をかけず、ひたすら経済成長に邁進した日本は、彼らの目にどう映っていたのだろう。少なくとも同等の存在とは見ていなかったのではないか。

 米国をはじめ、欧州各国は日本に対して「外圧」を加え続けた。「ガイアツ」が欧米の対日政策として定着するなか、韓国も便乗したかのように日本に金と謝罪を要求した。本来、すでに日韓基本条約で終わった話であるにもかかわらず、である。

 しかしこうした振る舞いに、当時、米国は何も言わなかった。

 西側の軍事行動に参加していた韓国は、なかでも米国の覚えがめでたかったのだ。

 しかし、1991年、旧ソ連が崩壊して東西冷戦が終結すると、状況は変わる。世界は軍事重視から経済重視に変わった。東欧諸国が次々とEUに加盟し、西欧の中心軸がNATOからEUに移った。

 米国はEUとの経済的な対立が避けられなくなったが、米大陸には軍事同盟国はあっても経済同盟国はない。さらにアジア版EUのようなものができてしまうと米国のプレゼンスは低下してしまう。

 そこで、米国は日本との同盟深化を選んだ。EUと対抗できる上、アジア版EUの誕生を阻止できるのだ。

 もちろん日本にとっても米国との同盟深化は朗報だった。

 こうして米国との同盟が強固になった日本は、韓国の要求を無視しはじめた。が、冷戦時代に日本から金を得ることに慣れてしまった韓国は、米国から疎まれるようになったいまでも要求を繰り返している。

 以上が、筆者なりの概観である。

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