東芝社長をクビにした「社内アンケート」 幹部の5割以上が信任せず
〈再生ミッションを成し遂げ、天命は果たせました〉
4月14日、社長辞任にあたって車谷暢昭(くるまたにのぶあき)氏(63)が出したコメントを東芝社員はどんな思いで受け止めたか。同氏をトップに戴いた3年間、東芝がずっと苦慮してきたのが株主との関係だ。
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東芝の関係者が言う。
「2017年、当社は約6千億円の増資に踏み切り、60社の投資ファンドが株主になりました。彼らの要求は厳しく、株主総会を乗り切るのが大変だったのです」
そのことを象徴するのが昨年、経産省の参与(当時)が大株主(ハーバード大基金)に議決権を行使しないよう圧力をかけたと報じられた件だ。これを問題視したエフィッシモ・キャピタル・マネージメント(筆頭株主)が調査委員会の設置を求め、臨時株主総会が開かれた。
「エフィッシモは旧村上ファンド系で、スタンドプレーが多い。ところが、3月の臨時総会では彼らの提案が可決された。株主の大半が車谷さんにNGを出したということです」(同)
だが、そも車谷氏の手法に、もっとも否定的だったのは部下たちである。
「東芝では16年から社長に対する信任調査を実施しています。事業部長や関連会社の社長らが回答するアンケートですが、かつて“チャレンジ”と称して社員らに無茶な利益目標を強いるパワハラが横行し不正会計を止められなかった反省から、現場の役職者がトップを評価する制度を導入したのです」(同)
意外な結果が出たのは1月のこと。約120名を対象に行われた信任調査で、車谷氏に2割を超える「×」がつけられたのだ。
「そこで念のため執行役や事業部長クラスを対象に、2月にもアンケートを行った。すると『×』が5割以上も。この結果を受けて東芝の指名委員会(社外取締役で構成)が、車谷氏に“次の社長指名はない”と伝えたのが3月25日。そこで4月19日に取締役会で社長交代を正式決定する予定が組まれたのです」(同)
ところが、その矢先にCVCキャピタルから買収の提案である。車谷氏は同ファンドの元日本法人代表だ。
「車谷氏が東芝に残るための画策だったのは明白。社内外の反発は必至でした」(同)
もはや、車谷氏が株主からも社内からも見放されていたのは間違いない。



