神童「那須川天心」がボクシング転向前にバラエティに引っ張りだこの理由

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バラエティもできる現役世界チャンプ

 まだある。

「77万人のフォロワーを持つ彼のInstagramでは、料理動画を配信したこともあります。また65万人がチャンネル登録しているYouTubeの『那須川天心チャンネル』では歌(菅田将暉の「虹」)を歌ったり、“アニメ技シリーズ”と称して『鬼滅の刃』やボクシング漫画『はじめの一歩』などの必殺技を真剣にスパーリングで実験したり……」

 芸人はだしと言えるかも。もっとも、『はじめの一歩』の主人公の必殺技“デンプシー・ロール”は漫画の世界だけかと思えば、那須川が放つとその威力、迫力は凄まじかった。

「彼は様々なバラエティに対応できるスキルを持っています。現役チャンピオンでここまでバラエティ対応できた人を知りません。これまでにもアスリート出身のタレントはいましたが、現役引退後に転身した具志堅用高や浜口京子、丸山桂里奈といったバラエティ寄りのタレントばかりでした。現役のチャンピオンという“ヒーロータイプ”はいませんでした。芸能界にも彼のファンは多く、バラエティでの絡みも憧れと尊敬の念が持たれているようです」

 一昨年、AbemaTVの企画「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」に出演した時には、ボクシングをなめるなという批判もあった。あれからずいぶんイメージが変わったものだ。

「自分のキャラクターを出したことが良かったんでしょう。キックボクシングでは天才的な世界チャンピオンと言っても、ボクシングに比べるとマイナー感は否めません。ボクシング世界チャンピオンの井上尚弥(28)が引退なんてことになったら一般紙も記事にするでしょうが、今回の引退発表も記事にしたのはスポーツ紙ばかりでしたからね。格闘技ファンにはスーパースターでも、ボクシング転向前により広く彼自身を知ってもらえたのは、いいことだと思います」

 今後もタレント活動は増えるのだろうか。

「トークもだいぶ上手くなってきましたが、元プロ野球選手の新庄剛志のような面白さ、エンターテイナー性はありません。もっとも彼は、トーク力で勝負する人ではありませんからね。引退までに2~4試合が組まれると言っていますし、バラエティに出演していて負けたとなっては元も子もありません」

 ともあれ、ボクシングに転向すれば、那須川の身長165センチは、井上(164・5センチ)とほぼ同じ。体格も似通っているから、同じ階級になる可能性もある。

 那須川は引退発表の際、こう語っていた。

那須川:(キックボクシングは)やりきったというか、自分の中ではつまらないし、挑戦したいというのがある。だったら、ボクシングに挑戦して、下の立場から強いチャンピオンを倒していく。そっちのほうが生きていて面白いと思いました。

デイリー新潮取材班

2021年4月24日掲載

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