「新人監督ワースト記録」横浜・三浦大輔 阪神・佐藤の本塁打で三浦が思い出した“アレ”とは

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 今季から30年来の古巣DeNAベイスターズの指揮を執る三浦大輔監督(47)が苦しんでいる。

 開幕から引き分けを挟んでの6連敗は、2リーグ制導入後の新人監督ワースト記録を塗り替えた。

 本拠地横浜スタジアムに阪神を迎えた4月9日の試合も2-9と大敗を喫した。

 とりわけ、阪神のドラフト1位・佐藤輝明(22)の場外本塁打は、試合を決めた豪快な一発だっただけに、さぞや痛かったに違いない。

 その試合後のことである。その本塁打について記者から「あれほど大きなホームランを見たことがありますか」と尋ねられると、三浦監督は「覚えてないです。俺の記憶も悪いのでアレなんだが」と返答したという。

 お忘れなら、“アレ”を思い出していただこう。

 2015年6月3日の出来事である。セ・リーグ首位をひた走るベイスターズは、本拠地にソフトバンクホークスを迎えていた。

 先発は三浦。2-1の1点先行で迎えた6回だった。打席には柳田悠岐。そこで三浦が投じた不用意なスライダーは柳田に完璧に捉えられ、中堅手の遙か頭上に聳(そび)える電光掲示板まで達したのである。

 試合は逆転負け。電光掲示板を破壊した一撃は今も語り草になっている。破壊されたのは電光器だけではなかった。これを目の当たりにしたベイスターズ投手陣はパの打者に怖れ慄(おのの)き総崩れ。交流戦は3勝14敗の最下位。その後も低迷を続けたベイスターズはリーグ最下位で終戦し、中畑清監督は辞任を余儀無くされたのだった。

 蛇足ながら、佐藤の本塁打は推定飛距離140メートル、柳田のそれは150メートルだという。

 記憶を消すことはできても、事実を消すことはできない。ベイスターズは目下最下位。これより下がりはしないだろう。今般の被弾がV字回復の契機となることを祈るばかりである。

週刊新潮 2021年4月22日号掲載

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