稲城市の公園“接着剤”事件、逮捕された高校生5人の処遇と賠償はどうなる?
約134万円の賠償請求
今回の被害は、公園内の滑り台などの遊具、水飲み場やトイレなど6カ所に上る。遊具1点とトイレの便器2点は交換を余儀なくされた。復旧には3週間を要し、公園が完全に元に戻ったのは3月29日になってのことだった。
高橋市長はツイッターで、《トイレの便器などは、交換修理しており、公園全体は使用できる状態に戻しております。これらの工事には、現時点での概算で約134万円の経費がかかっています。今後、適切に賠償請求してまいります》と表明。少年らの対応次第では、今後、市が民事訴訟を起こし賠償を求めていく可能性もある。
過去には、2010年、北海道江別市の遊歩道にある噴水施設などを壊した少年ら4人が器物損壊容疑で書類送検され、市は約163万円の賠償を少年らの保護者に請求。翌年には、市議会で少年らの保護者に対して、ひとり当たり約40万円の賠償を請求する和解案がまとめられた。
「今回の事件では、基本的には少年ら自身に賠償する責任があります。ただ、高校生の彼らに100万円を超える賠償金の支払い能力があるとは思えません。彼らの保護者が代わりに支払うことになる可能性が高いでしょう。賠償を求める民事訴訟では、誰がどれだけの被害を出したかによって賠償額が決まるわけではないので、加害者が連帯して賠償金を支払うことになります。今回のケースでも、5人で均等に割るか、支払い能力がある人が多めに出し、のちのち仲間内で返済していく形を取るなどして支払うことになるでしょう」(同)
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