事件現場清掃人は見た 孤独死した男性の部屋で私を切ない気持ちにさせた“古い写真”
孤独死などで遺体が長時間放置された部屋は、死者の痕跡が残り悲惨な状態になる。それを原状回復させるのが、一般に特殊清掃人と呼ばれる人たちだ。2002年からこの仕事に従事し、昨年『事件現場清掃人 死と生を看取る者』(飛鳥新社)を上梓した高江洲(たかえす)敦氏に、孤独死した60代男性の遺品整理でのエピソードについて聞いた。
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2010年にNHKが放送したドキュメンタリー番組『無縁社会』によると、身元不明の自殺者や行き倒れ死など、遺骨の引き取り手のない人は、日本で年間3万2000人にも上るという。その後も、この傾向は強まりつつある。
「今回お話ししするのは、遺体の引き取りを拒否された方です。現場は、東京の下町にある古いアパートの2階でした」
と語るのは、高江洲氏。
「亡くなったのは60代の男性で、死後約1カ月してから発見されました。男性は半年前に仕事を失い、失業保険をもらいながら、6畳1間のアパートに引きこもっていたといいます。会社の元同僚でもあった飲み友達が電話しても出ないので、心配になって部屋を訪れたところ、玄関口で助けを求めるように倒れていた男性を発見したそうです」
依頼主は、アパートの大家だった。
「遺体の腐敗が進んでいたので、一刻も早く酷い臭いを消して欲しいということでした」
大家が火葬と清掃費用を負担
死後、男性には、少し離れたところに義理の姉がいることがわかったが、
「遺体の引き取りだけでなく、火葬の費用を出すのも拒否されたそうです。結局、大家さんが火葬を行ったといいます」
部屋は小ぎれいに整頓してあったが、洗濯物は干しっぱなしで、台所には、干からびた食べ物が入った食器があるなど、男のひとり暮らしを想像させたという。
「大家さんによれば、最後の数カ月は家賃を滞納していたそうです。生活は苦しかったみたいですね」
体液が床を通って階下の天井まで達するなど、汚れは遺体のあった玄関口を中心に広がっていた。
「完全に臭いを取り除くには、体液などで汚れた部分を削り取る必要があります。ちょっとしたリフォームです。大家さんは家賃を滞納された挙げ句、後始末までしなければならないのですから、正直言って迷惑な話だったでしょう。でも、私に言わせれば、こういうケースは珍しくはありません」
部屋の消毒を終えた後、高江洲氏は、遺品整理にとりかかった。
「遺品整理をしていると、いろいろなものが出てきます。そこから、亡くなった方の人生が見えてきます」
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