小林誠司は打てないから2軍降格に異論噴出…17年のWBCでは4割5分の大当たりも

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打率に大差なし!?

 確かに城島と古田の打率、阿部と野村の本塁打は目を引く。だが、現役組の打撃成績を見ると、それほどの差があるわけではない。

 平均打率なら、それこそ小林より炭谷のほうが悪い。表には加えなかったが、岸田行倫(24)の成績は19年から21年が対象で、平均打率は2割5分5厘。本塁打は1本だ。

 少なくとも記録としては、岸田が突出した数字を残しているわけではない。やはり、小林の打撃不振が原因で2軍行きという説明は、疑問視されても仕方ないようだ。

 ちなみに巨人で正捕手の大城について言えば、巨人OBの西本聖氏(64)は4月7日、日刊スポーツ(電子版)で「巨人大城に『なぜ?』の連続…野球のセオリー理解していない」と痛烈に批判した。

 記事で西本氏は、2回の後逸と、3回の配球を問題視。《投手をサポートできないようでは、捕手として厳しいと言わざるを得ない》と苦言を呈した。

 小林のリードも批判を浴びてきた。だが、広澤氏も大城よりは小林を評価するという。

“コツ”の不思議

「少なくともセ・リーグのバッターにとっては、大城くんが捕手の試合より、小林くんが先発のほうが嫌だろうなと思います。何より小林くんは強肩で、盗塁阻止率は“甲斐キャノン”と呼ばれるソフトバンクの甲斐くんと肩を並べます。小林くんのいいところも指摘しようと思えば、いくらでも列挙できます」(同・広澤氏)

 2017年のWBCで小林が大当たりしたことをご記憶の方は多いかもしれない。打率4割5分(20打数9安打)という記録を残した。

 だが、その後、打者としての小林が活躍したことはない。もう小林も31歳。今後、“打撃開眼”は起こり得るのだろうか。

「打者は『コツを掴んだ』と実感することがあります。すると不思議なほどボールが見えて、打てば必ずヒットになるんです。WBCで小林くんはコツを掴み、ペナントレースに復帰するとコツの感覚が消えたのでしょう。私も同じように何度もコツを掴んでは、何度も雲散霧消してきました」(同・広澤氏)

 2軍で“打撃開眼”する可能性はゼロではない。小林は2軍でも自分のベストを尽くし、臥薪嘗胆を誓う以外に近道はないという。

註1:「プロ野球歴代の『打てるキャッチャー』通算打率でベスト10

デイリー新潮取材班

2021年4月10日掲載

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