小林誠司は打てないから2軍降格に異論噴出…17年のWBCでは4割5分の大当たりも

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打つ捕手とは?

 関係者の間では「小林は首脳陣と対立したのではないか」という憶測も飛んでいるそうで、彼の2軍行きを“左遷”と受け止めている向きもあるという。

 元木コーチの説明に説得力がないのは、最近は「捕手は打てなくてもOK」という風潮が強くなっていることも大きい。

 野球の戦術は著しく高度化している。例えば、事前にスコアラーが集めてきた相手チームのデータは膨大で、サインも複雑だ。

 守備につく9人の中で唯一、捕手は球場全体を見回すことができる。頭の中に対戦相手のデータを入れ、ベンチや選手と複雑なサインでコミュニケーションを取りながら、相手チームのリアルタイムな状況も観察し、ピッチャーをリードしていく……。

「ヤクルト時代、監督の野村克也さん(1935~2020)は古田敦也(55)に『一流のピッチャーなら二流のキャッチャーでも勝てる。二流のピッチャーを勝たせるのが一流のキャッチャーだ』と諭していました。捕手は守備で投手を引っ張り、野手に細かな指示を出します。投手が1球投げるごとに状況は変わり、それに対応します。その膨大な仕事量で疲弊してしまうのです」(同・広澤氏)

捕手の打力は?

 捕手は守るだけで大変だから、その分、打撃は大目に見るという考えだ。

 ならば、捕手の打撃成績を実際に見てみよう。打てる捕手と聞いて、誰を思い浮かべるだろうか。ソフトバンクからMLBのマリナーズ、そして阪神でプレーした城島健司(44)だろうか。

 はたまたヤクルトの古田だろうか、それとも巨人の阿部慎之助(42)か。

 実は、ネット上を検索してみると、「1000試合以上に出場した捕手」で、上記の3人が「打率ベスト3」と紹介するサイトがある(末尾:註1)。

 この3人に「世界のプロ野球で初めて捕手で三冠王」を獲得し、南海、ロッテ、西武で“生涯一捕手”を貫いた野村克也も加えてみよう。

 一方、打撃よりリードや守備で名捕手と評価された代表を、広島の達川光男(65)と中日の谷繁元信(50)としてみる。

 これでOB組は6人。現役組には巨人の大城、小林、炭谷と、2018年の日本シリーズでMVPを受賞した甲斐拓也(28)も入れると、ちょうど10人になる。彼らの打率と本塁打を表にまとめてみた。

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