8つの容疑で起訴された尹美香 肋骨が折れた認知症の慰安婦から770万円をだまし取った疑惑が浮上

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責任逃れの目的が強い

 検察は、認知症で正常な判断ができない状態のキルさんをだまして、キックバックをさせたと主張しているわけだ。

 これに対し、尹議員は「当時、おばあさんたちは“女性人権賞”の意味を明確に理解し、自発的に寄付した」もので、「重症の認知症を患っているおばあさん(キルさん)をだましたという主張は、おばあさんの精神的・肉体的主体性を無視したもの」と強く反論、容疑を否定している。

 韓国外交通商部の登録団体である韓国挺身隊問題対策協議会(正義連の前身)は、事件発生から4ヵ月後の昨年9月に解散届を提出して、すでに解散が完了し、清算手続きを進めている。

 ある会計士に聞くと、「挺対協が寄付金使用に関する裁判が行われている最中に清算し、残りの財産を正義連に帰属させることは、責任逃れの目的が強い」と批判した。

 尹議員の挺隊協に絡む容疑で有罪判決が下されると、不法補助金の還収措置が取られるが、挺隊協がなくなれば財産還収は難しい。正義連は挺隊協の後継団体と見なしうるが、あくまでも別組織だからだ。

 尹議員は野党や市民社会から辞任を求める声が出ているが、辞任どころか、昨年8月から始まった裁判にも出席せず、「全面否定」する強硬な姿勢を貫いてきた。

 ここにきてまた一つ罪状が追加されるかもしれない。

キム・サラン
1987年生まれ。韓国の大学院で言論学と国際政治学の修士号を取得。2013年からメディア企業に勤務。現在はフリーランスとして、日韓問題、韓国政治などについて執筆活動を行う。

デイリー新潮取材班編集

2021年4月9日掲載

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