ビートたけしが「サンド伊達」を指名買い サンドウィッチマンのどこを評価したのか

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実はいい人のギャップ

 確かに彼らの漫才は面白いし、人気もある。3年連続で好きな芸人ランキング1位となり、お笑い怪獣こと明石家さんまを抜いたことでも証明されている。

「サンドは伊達、富沢のツッコミとボケのバランスがとてもいい。ツービートのように、たけしさんが一方的に喋る漫才とは違います。たけしさんには本当はああいう漫才がやりたかったという思いがあるのでしょう。とはいえ、両者とも、漫才とコントの境界線がはっきりしないコント漫才のような芸風という共通点があります。ナイツの“ヤホー”やミルクボーイの“オカンが忘れた名前”といったような定型ではなく、変幻自在のフリースタイルに、ツービートではなし得なかった夢を見ているのかもしれません」

 サンドは仙台出身だが、標準語の東京漫才ということも評価を高めた一因という。

「『人生最高レストラン』でも漫才ブームの頃の話をしていましたが、東京勢が関西の漫才に押されていたというのは昔から語っていたこと。B&Bはもちろん紳助竜介にも、ツービートは及ばなかったといった発言も多いですからね。今も関西勢の勢いが続く中、サンドが人気No.1の漫才師でいることも評価しているのだと思います」

 サンドの人気の秘訣はどこにあるのだろうか。

「漫才コントの実力はもちろんですが、“一見、反社っぽいが、実は気が優しい”ギャップではないでしょうか。24日に放送された『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)でも、仲間の芸人たちが口を揃えて言っていた“人柄の良さ”は、彼らと関わった誰もが感じることだと思います。以前、聞いた話では、板東英二さんと彼らを共演させ、板東さんの好きなゆで卵を、サンドが彼のおでこで次々と割っていくという企画が出た時に、『それは死んでもできません。大先輩に失礼です。お願いですからできません』と泣いて、土下座までして断ったとか。また、高橋英樹さんと真麻親子も彼らの人柄に惚れ込み、彼らと同じ事務所に移ったというほど、彼らへの信頼は厚いんです。それが画面からもにじみ出たことで、視聴者からの信頼も勝ち得たのではないでしょうか」

 24日の「プロフェッショナル」は13.3%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)と、異例の高視聴率だった。

「彼らが“持ってる”こともあるでしょうね。鳴かず飛ばずだった彼らが07年の『M-1グランプリ』で敗者復活から奇跡の逆転優勝を果たしたことも、順風満帆の優勝よりも注目されました。彼らが仙台出身で、東日本大震災発生時に『サンドのぼんやり~ぬTV』(東北放送)のロケで気仙沼にいたというのも、その後の人気に大きく影響しています。震災以降、復興に尽力していることも、視聴者は知っています。実は“いい人”というギャップが視聴率を上げているのでは」

 25日には、東京五輪の聖火リレーの出発式に出席。昨年は強風の中、聖火に火がつかず、30分を漫才で間をつないだことが思い出される。今年は無事に火はついたが、富澤が「あれ、森さんは?」とボケて、伊達が「森さんはテレビで見ているよ」と即座につっこむなど、本領を発揮した。

「そして伊達が膀胱がんの摘出手術を受けていたことをブログで公表したのが、翌日の26日でした。五輪の式典に悪影響を与えてはいけないという配慮だったんでしょうね。これもまた、彼らの人柄だと思います」

デイリー新潮取材班

2021年4月3日掲載

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