センバツに“ドラ1候補”が登場! プロ注目の逸材7人の実力を診断する

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最速1.88秒

 野手では、投手と比べて目に付く選手が少なかったが、松川虎生(市和歌山)と高木翔斗(県岐阜商)の捕手2人が強く印象に残った。松川は178cm、98kgという巨漢だが、抜群のフットワークを誇り、その体重を全く感じさせない。2.00秒を切れば強肩と言われるイニング間のセカンド送球では、最速1.88秒をマーク。少しコントロールが不安定なところは課題だが、基本的な投げる能力は十分だ。バッティングでも左足を大きく上げるスタイルながら、下半身が強いので体勢が崩されることなく、強烈な当たりのヒットを2本放った。

 一方の高木も186cm、88kgの大型キャッチャーで、イニング間のセカンド送球では最速1.90秒をマークするなど強肩を披露した。フットワークやスイングのキレは松川には劣るものの、プレー全体に丁寧さがあるのは好感が持てる。打撃でも、冒頭で触れた小園からしっかり1安打を放った。ともに打てる捕手として貴重な存在だけに、プロからの注目度は高いだろう。

 今回紹介した7人以外では、初戦敗退した大阪桐蔭の松浦慶斗、関戸康介という150キロを超える投手が本調子には程遠いピッチングだったが、ともに能力は高いだけに、夏に向けて巻き返しに期待したいところだ。2年ぶりの開催となる大舞台、ドラフト戦線という意味でも最後まで目が離せない展開となりそうだ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年3月30日掲載

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