日本は本気のアルゼンチンに0-1で完敗 やはりOA枠で必要な選手の名前は?

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圧倒的な速さ

 フレンドリーマッチで来日した南米のチームは、ほとんどと言っていいくらい手を抜く。しかし今回、コロナ渦にもかかわらず来日したU−24アルゼンチン代表は本気で東京五輪の金メダルを狙っていることを感じさせた。

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 U−24日本代表との試合でも、立ち上がりから本気モードで肉弾戦を厭わなかった。球際での競り合いだけでなく、後半はボールのないところで、キャプテンでCBのネウエン・ペレス(20)は田川亨介(22)や久保建英(19)を倒すなどして挑発してきた。

 彼らは彼らで、東京五輪への生き残りがかかっている。このため数少ない1試合1試合に、必死で臨んでいることがうかがえる。

 さて日本である。これまで長らく3-4-2-1と3BKがチームのベースだった。その後は4-4-2や4-2-3-1も併用したが、試合前日の会見で横内昭展監督(53)は、「3BK、4BKうんぬんより、選手がどう生きるか。いまクラブで光っている選手を選んでいるので、その特長を生かす形で使いたい」と話していた。

 当然と言えば当然の起用法である。

 と同時に、新型コロナの影響で代表としてほとんど活動できなかった昨シーズン、代表選手の序列にも変化があった。これまでは海外組やJリーガーが優先的に起用され、大学勢は2番手グループだった。

 しかし三笘薫(23)と旗手怜央(22)が川崎Fに加入して大ブレイク。リーグと天皇杯の2冠獲得に貢献し、今大会では久保と並び注目の的となった。

苦戦した三笘

 そんな三笘が会見で自身のプレーについて次のように話していた。

「3BKの際は(3-4-2-1の4の左の)ウイングバックで起用されれば(守備のために)上下動が求められますが、攻撃で力を出したいのでシャドー(3-4-2-1の2の左)や、できれば4-2-3-1の外(3の左)、ウイングをやりたいです。ウイングバックで起用されたら慣れていかないといけないですが、自分のなかではまだまだ未知のところがあります」

 こうしたことを踏まえて横内監督が選んだシステムとスタメンは、4-4-2の4BKで、左SBに旗手、その前のMFに三笘を起用。「怜央(旗手)と三笘はクラブでも非常にいいので、コンビネーションに期待した」のも当然だった。

 しかしながら結果はというと、三笘は「静から動」への瞬間的なスピードアップでタテに抜け出せても、Jリーグで見せているようなボックス内に侵入してフィニッシュに至ることはできなかった。アルゼンチン選手の体を寄せる速さはJリーグとは違った。

 旗手も攻撃参加では持ち味であるクレバーなポジショニングでパス交換をしつつ、意外性のある飛び出しで変化をもたらしたが、守備では後手に回ることが多かったのは仕方ないだろう。

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