楽天「オコエ」の才能が開花しない3つの理由 野球評論家が移籍を勧める球団名は?

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トレードもあり?

 例えば王貞治・ソフトバンク球団会長(80)が荒川博コーチ(1930〜2016)と、イチロー氏(47)が仰木彬氏(1935〜2005)と出遭わなかったら……。

「プロ野球選手の運命は、出会いに大きく左右されるのです。そういう観点からオコエくんの現状を見ると、楽天との相性が気になるのは事実です。契約更改での石井GM兼監督が口にした厳しい言葉が全てを象徴しています。近年は『我慢してオコエを1軍で使おう』という意思も感じられません。今年も2軍生活が続くようなら、他球団への移籍を考えてもいいのではないでしょうか」(同)

 まだまだオコエに商品価値はある。広澤氏は、自身が最初に入団したヤクルトへの移籍を勧めるという。

「ヤクルトなら派手な外車に乗ろうが、髪型をどうしようが、うるさいことは言われないはずです(笑)。去年までラミちゃん[アレックス・ラミレス氏(46)]が監督だったDeNAも自由な雰囲気で知られています。ただ、今年から三浦大輔くん(47)が監督ですから、少しチームカラーが変わるかもしれませんが……」

贅沢な悩み

 伸び悩む2つ目の理由は「高校野球など、アマチュアで実績を残した選手に多いパターン」があるという。

「要するにアマチュア時代の成功体験に固執してしまうわけです。『あの時は、こうして球を打っていたはずだ』と、昔のフォームにこだわってしまったりする。プロになったらフォームなどは常に見直し、柔軟に対応していくべきなのに、それができないわけです」(同)

 3つ目は、以下のような具合だ。

「プロ野球には古くから“超二流”という言葉があります。走・攻・守と全てバランスが良いのですが、1つも突出したものがないという意味です。プロで大成する選手は逆で、とにかく“一芸”に秀でたものがレギュラーの座を獲得します。足だけは早い、ホームランだけは打つ、打撃はダメだけど守備をやらせたら抜群、という具合です」(同)

 西武ファンなら山川穂高(29)にホームランだけを求める。だが、オコエの場合、相当な楽天ファンでも何を求めていいのか分からないのではないか。彼は打撃を極めようと考えているのか、それとも走塁か、はたまた守備か……。

「オコエくんの場合、身体能力が秀でているため、何を一芸にすべきか分からないという悩みに直面しているかもしれません」(同)

デイリー新潮取材班

2021年3月26日掲載

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