韓国でついに、「NO JAPAN」「反日不買」が下火になった理由

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“絶対悪”の退場

 安倍前首相が昨年8月28日に辞任したのは持病悪化によるものではあったが、いずれにせよ“絶対悪”の退場は、韓国人の中である種の“やり切った感”が生まれたことは否定できない。

 韓国のある新聞は、菅義偉首相の就任時、車椅子に乗った首相の風刺画を掲載していた。病気をあざ笑った極めて差別的な表現と言う他ないが、韓国人が安倍前首相を脅威だと捉え、菅首相のことを“それほどではない”と見ているとみなしうるものだった。

 これが不買運動が沈静化した一因だと言えそうだ。

 さて、話は少しそれるが、実は現在、韓国と中国の間では“キムチ起源論争”が繰り広げられている。

人民日報系の「環球時報」が昨年11月28日に「中国市場監管報」の報道を引用するかたちで、「中国の泡菜(パオツァイ。野菜の漬物の意)がキムチの国際基準となった」と報じたことによって火がついたのだ。

 最近では、韓国大手食品会社の「bibigo」が中国向け冷凍餃子のパッケージに“韓式泡菜”と表記していたことが発覚し、更に問題が大きくなっている。

 この“キムチ起源論争”を受け、韓国のSNSでは“中国製品不買運動”の声が上がっている。

 今度は“nonochina”というサイトができるかもしれない。

羽田真代(はだ・まよ)
同志社大学卒業後、日本企業にて4年間勤務。2014年に単身韓国・ソウルに渡り、日本と韓国の情勢について研究。韓国企業で勤務する傍ら、執筆活動を行っている。

デイリー新潮取材班編集

2021年3月25日掲載

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