都を訴えたGダイニング社長の評判 年収6000万円を公言、社員も厚遇の経営理念は

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原点は喫茶店

 グローバルダイニングの代理人を務めるのは、倉持麟太郎弁護士。弁護士ドットコムの取材に応じ、訴訟について次のように説明している。

《緊急事態宣言下で、法的根拠があいまいな中で自粛要請がなされてきました。そういった日本社会におけるコロナ禍の不条理に対して、色々な方が色々なことを思っていたはずです。この訴訟が、そういった思いを集約する場になればと考えています》

 ちなみに倉持弁護士は2017年9月、週刊文春に山尾志桜里・衆議院議員との不倫疑惑が報じられたことがある。

 それはさておき、これほどまでに首尾一貫して都や国のコロナ対策に異論を唱えるグローバルダイニングとはどのような企業であり、長谷川社長とはどんな人物なのだろうか。

 企業の信用情報などを検索すると、長谷川社長が生まれたのは1950年。今年で71歳になる。外食産業の内実に詳しい関係者が言う。

「長谷川さんは早稲田大学の商学部を1年で中退したはずです。71年、シベリア鉄道に乗ってヨーロッパを放浪しましたが、その際、スウェーデンのストックホルムを拠点に置きました。翌年に帰国すると、高田馬場駅の近くにあるビルの地下に、喫茶店『北欧館』をオープンしたのです」

“夜遊びの魅力”

 インドのデリーからイギリスのロンドンまで乗り合いバスで横断した顛末を描いた「深夜特急」(新潮文庫)の著者、沢木耕太郎氏は1947年生まれの73歳だ。

 沢木氏が日本を発ったのは70年代前半とされている。2人は世代も、旅した時期も、非常に近いと言っていいだろう。

「『北欧館』は長谷川社長の、北欧生まれの美しい奥さんが店にいたのが印象的でした。調度品がスタイリッシュだったことは今でも鮮明に憶えています。敷居の高さを感じる人もいたと思いますが、店は非常に繁盛していました」(同・関係者)

 長谷川社長は「北欧館」の盛況で事業拡大の資金をつくったようだ。

「長谷川社長が次に目をつけたのが六本木や麻布十番、代官山といった街でした。感度の高い人が集まる場所に、ハイセンスな内装で、なおかつ朝の5時まで開いている店を次々にオープンさせたのです。この時期に登場したのが『カフェ ラ・ボエム』で、今でも人気店です」(同)

 長谷川社長は、いわば“夜遊びの魅力”を消費者に教えたと言える。そして特に“業界人”が、これに飛びついた。

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