東海大系列対決は相模に軍配 かつて智弁学園VS智弁和歌山戦で流れたヘンな噂

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そっくりユニフォーム対決

 最後は大学の付属校ではないものの、同じ兄弟校の対決、しかもかなりのレアケースをご紹介しよう。実現したのは、02年夏の3回戦でのこと。奈良県の智弁学園と智弁和歌山の兄弟校対決が決まったのだ。秋の近畿大会などではすでに実現してはいたが、甲子園では現在まででこれ1回のみという実に貴重な対戦なのである。

 ところが対戦を前に困った事態が起きた。冒頭で紹介した東海大対決は多少なりともユニフォームに違いがあったのだが、この2校はユニフォームのデザイン・色調も同じで、違いは左腕の校章の一部と互いの県名、そして胸に描かれてある“智辯”という字の大きさで、どちらがどちらのチームなのか判断しないといけなかったのである。プレーする側も、審判も、そして観戦する側もかなり戸惑ったはずだ。

 まるで鏡映しのチームによる対決となったが、試合は大きな混乱をきたすことなく、弟分の智弁和歌山が7-3で勝利している。

 それまでは“もし、智弁対決が決まったら、普段は白い帽子を被っているが、どちらかが、その白ではなくスクールカラーである朱色の帽子を被る”という噂があった。しかし実際には両校とも白い帽子のまま。噂は噂のまま終わったのだった。

上杉純也

デイリー新潮取材班編集

2021年3月22日掲載

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