事件現場清掃人は見た 40代女性が自殺した後、姉に届いた“読むに堪えない遺書”
自殺や孤独死などで遺体が長い間放置された部屋は、死者の痕跡が残り、悲惨な状態になる。それを原状回復させるのが、一般に特殊清掃人と呼ばれる人たちだ。2002年からこの仕事に従事し、昨年『事件現場清掃人 死と生を看取る者』(飛鳥新社)を上梓した高江洲(たかえす)敦氏に、マンションの浴室で首吊り自殺した40代女性の話を聞いた。
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最近は、ネット上などで部屋を汚さない首吊り自殺の方法が紹介されている。今回ご紹介するケースも用意周到な準備をしていたことが印象的だったという。
「現場は、40代半ばの女性が自殺した2DKのマンションでした。彼女の甥御さんから清掃の依頼をされました。驚いたことにオムツを穿いて浴室で首を吊っていたのです」
と語るのは、高江洲氏である。
部屋は、どこもきちんと整理整頓されていた。
「自殺を決意した後に身辺整理を行ったのだと思います。部屋にあった洋服やバックなどは高価なものではありませんが、どれも趣味のいいものばかりで、彼女が品の良い人であったことが伝わってきました」
遺体は死後数日で発見されたという。
遺品を受け取らない遺族
作業を終えた高江洲氏は、依頼主の自宅へ向かった。
「部屋からは、アクセサリー数点のほか、現金30万円が見つかりました。清掃の報告と、遺品を引き渡すために甥御さんに会う必要がありました」
部屋に上って、遺品とともに現金の入った封筒を渡そうとした。しかし――。
「なぜか、頑なに受け取ろうとしないのです。かといって私が持って帰るわけにもいきません。封筒の押し付け合いになり、ようやく受け取ってもらいました」
ところが、再び、
「お疲れ様でした。これでお茶でも飲んでください」
と、封筒を渡されたというのだ。
「通常はあり得ない対応に、これは何か事情があるのではないかと思いました。そして話をしているうちに、甥御さんの母親、つまり自殺した女性の姉あてに遺書が送られていたことが分かりました」
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