甲子園は夢のまた夢…無名の公立高校から“大出世”を果たしたプロ野球選手は

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高専5年在籍後に

 まだプロで一流となったわけではないが、今年のルーキーで日に日に首脳陣からの評価を上げている石井大智(阪神)も秋田高専出身という異色の経歴の持ち主だ。過去には近大高専出身の鬼屋敷正人が巨人から2位指名をされたことはあったが、近大高専は県内でも力のあるチームである。

 また鬼屋敷は高専3年時にプロ入りしているが、石井は高校野球の3年間を終えた後も学校に残り、5年間在籍し続けている。高専での5年間を全うした例では初のNPB選手と言えるだろう。そういう意味でも石井のプレーぶりに注目したい。

 最近は中学時代から有名な選手も多く、強豪校のスカウティングは年々激しくなっていると言われるが、高校入学時点ではまだまだ才能が眠っているだけの選手も多いはずだ。今回紹介したような選手の活躍は、そういった球児たちにも力を与えていることは間違いないだろう。今後も“普通”の高校からアッと驚くような選手が登場することを期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年3月17日掲載

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