“令和の怪物” 佐々木朗希が実戦デビュー アマ時代よりこんなに進化した!

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“令和の怪物”の異名をとる佐々木朗希(ロッテ)が3月12日に行われた中日とのオープン戦で待望の実戦デビューを果たした。初登板から見えた佐々木の成長や課題、さらに今後の展望について解説する。

 佐々木の投球を初めて見たのは2018年夏の岩手大会、対盛岡三戦。まず驚かされたのが試合前の遠投だ。投手は外野の一番後方でキャッチボール、遠投するのが一般的だが、センターからライトポールに向かって放たれるボールの勢い、軌道は明らかに一人だけ異質だった。

 この試合、1番ピッチャーで出場した佐々木は最速154キロをマーク。102球投じたストレートの平均球速は147.5キロと、スピードに関しては既に一軍のローテーションクラスの数字を叩き出している。この時点で高校2年生だったということを考えると、この数字だけでも佐々木のただならぬ素質がよく分かるだろう。その後、3度現場で投球を見る機会があったが、何度見てもそのスケールの大きさには驚かされるばかりだった。大げさではなく、投手としての才能は日本野球の歴史の中でナンバーワンといえるのではないか。

12球で三者凡退

 そして12日の中日戦。開幕候補が内定している二木康太の後を受けて6回からマウンドに上がると、京田陽太、阿部寿樹、ビシエドの上位打線をわずか12球で三者凡退という上々のデビューを果たしてみせた。投じた全てのボールと球速、その結果をまとめると以下の通りとなっている。

【京田】
ストレート:149キロ(ファーストゴロ)

【阿部】
ストレート:149キロ(見送りストライク)
スライダー:141キロ(ボール)
ストレート:151キロ(ボール)
ストレート:151キロ(ボール)
ストレート:150キロ(ショートゴロ)

【ビシエド】
ストレート:151キロ(ボール)
ストレート:151キロ(ファウル)
ストレート:151キロ(空振り)
ストレート:151キロ(ファウル)
ストレート:153キロ(ボール)
ストレート:152キロ(見逃し三振)

 12球のうち変化球はスライダーの1球のみでストレートが11球。そのうち9球が150キロを超え、平均球速は150.8キロに達した。まず、印象的だったのが阿部をしとめたボールだ。カウントは3ボール、1ストライクと打者が圧倒的に有利な場面で、阿部はストレートに狙いを定めていたはずだが、ややシュート回転した内角のボールに完全に詰まらされて力のないショートゴロとなったのだ。一軍で2年続けて100安打以上を放つレギュラークラスを圧倒できるだけの球威があることは間違いない。

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