米医師連盟が「コロナの特効薬」 なぜ政府は「イベルメクチン」を規制するのか

国内 社会 週刊新潮 2021年3月11日号掲載

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“悲劇”は避けられたのではないか

 ワクチンの国内での接種が開始したが、同時に治療薬も重要だろう。その筆頭、ノーベル賞受賞の大村智博士が発見した「イベルメクチン」は世界各地から目覚ましい効果が報告され、副作用はないという。なぜいつまでも政府は規制を続けるのか――。

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 3月を迎えても緊急事態宣言が出されたままなのは、首都圏だけになった。2月末日には、1都3県の新規感染者数が全国の6割以上を占め、減少のスピードが鈍化していると指摘されている。

 とはいえ、3月2日までの1週間、東京都の平均感染者数は263人と、着実に減少している。それでもなお「厳しい医療態勢が続く」とされているのは、ひとえに医療体制が脆弱なまま放置されてきたからである。

 たとえば、昨年3月28日、つまり最初の緊急事態宣言が出される前に決定された政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」には、

〈今後、国内で感染者数が急増した場合に備え、重症者等への対応を中心とした医療提供体制等の必要な体制を整えるよう準備することも必要である〉

 と明記されていた。実行されていれば、感染者数も死亡者数も欧米にくらべて1桁少ない状況で、飲食業者のみならず多くの人を追い詰める緊急事態宣言を出すことは、避けられたのではないか。また、自宅やホテルで療養中に容体が急変する人が続出し、時に救急搬送先も見つからないまま死亡した、という悲劇も避けられたのではないか。

ブラジルで重症化率、死亡率が低下

 そんななか、主に自宅療養者の重症化を防ぐために、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士が発見した抗寄生虫薬「イベルメクチン」の緊急使用を考えてほしい、と主張したのが、東京都医師会の尾崎治夫会長だった。1月24日にフェイスブックに投稿し、2月9日の会見でも同様の訴えを繰り返した。

「1月には新規感染者が多く、入院患者、ホテル療養者、自宅療養者が増え、かかりつけ医が在宅の感染者を診はじめていた。ですから、重症化を予防できる薬を使いたいと考えていたところでした」

 と話すのは、東京都医師会の角田徹副会長である。

「尾崎会長が今年1月、テレビ番組で、海外のデータを見ると新型コロナによる重症化予防にイベルメクチンが有効だと思われる、と話したのを、大村先生がご覧になっていたのです。大変心強い、とお感じになった先生は、北里大学の方と一緒に東京都医師会を訪ねてくださいました。重症化を予防する作用機序は、まだよくわかりませんが、実際にブラジルのデータでは、感染者に早期にイベルメクチンを飲ませた州と、遅れた州をくらべると、早期に飲ませた州のほうが、重症化率や死亡率が明らかに低かったのです」

 そして、こう続ける。

「一番のポイントは、経口薬なので自宅療養で使いやすい点。感染が判明したのち数日以内に1回、必要量を飲めばいいというので非常に簡便です。しかも、広く世界中で使われていながら、重篤な副作用はほとんどないといわれます。日本でも疥癬(かいせん)の薬として使われていますが、使う疾病を変えるときは、一から治験をし直さなければなりません。すでに治験は始まっていて、東京都医師会も協力したいと考えていますが、通常のプロセスだと時間がかかる。いまは非常事態なので、ぜひ政治的判断で緊急承認などをお願いできれば、と考えています」

 たしかに、自宅療養者が自分で手軽に服用でき、重症化を防げるなら、これほど心強い薬もあるまい。

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