夫の遺体発見現場に「老舗酒店」を再建した女将が語る震災からの10年 #これから私は

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「主人に手を伸ばしたのですが…」

 10年前、店舗が全壊した宮城県気仙沼市の老舗酒店があった。「すがとよ酒店」3代目の菅原豊和さん(62)=当時=は津波に流され、行方不明となったが、妻や息子たちが老舗の意地を見せ、看板をおろすことはなかった。再建に向け女将が奮闘していたのだ。

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「先祖代々商売を継いできた。途絶えさせない」

 震災直後の本誌(「週刊新潮」)の取材にそう答えていたのは、豊和さんの長男の豊樹さんだった。当時を豊和さんの妻・文子さん(71)が振り返る。...

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