「大坂なおみ」が五輪旗手か 多様性を尊重し、五輪開催にも肯定的

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 全豪オープンで2度目の優勝を果たした大坂なおみ(23)に、東京五輪組織委員会が熱視線を送っている。

「彼女にぜひとも“旗手”を務めていただきたい」

 と組織委関係者が語る。

 開会式で国旗を掲げて入場行進する“旗手”は、その国を代表するアスリートこそふさわしい。四大大会を4度制し、世界的に有名な大坂が有資格者であることは論を俟たないだろうが、

「森喜朗前会長の女性蔑視発言によって、旗手の条件も変わってしまった」

 橋本聖子氏が後継会長に就任したように、旗手もまた女性が必須、ということならますます大坂に確定かと映るが、

「いや、そもそも日本代表団の旗手はこれまでも女性が多いんですよ。柔道のヤワラちゃんや、卓球の福原愛ちゃんなど、直近8大会中6大会で女性が旗手を務めています。付言すると、IOCは東京大会から“旗手は男女各1人”とルール変更しています」

 では新たに加わった“旗手の条件”とは何か。

「“多様性”と“反差別”ですよ。森さんの失言のせいで、東京大会は“多様性”を実現させるのが目的みたいになっちゃったんです。その点、ハイチ系アメリカ人を父に、日本人を母に持つ大坂は“多様性”の申し子。しかも彼女は、これまでも差別問題について多くのメッセージを発信していますから、もってこいなんです」

 アメリカで警官による黒人殺害に端を発した差別反対運動“ブラック・ライブズ・マター”が巻き起こると、大坂は全米オープンで犠牲者名を記したマスクを着用するなどして運動に同調。コロナ禍でアジア人差別の言辞が溢れれば“非難の量は不快。危機感を覚える”とツイートした。そのツイッターでは先般、森氏を“無知”と切り捨て、橋本氏就任を“障壁が崩れてきた”と歓迎してもいる。

「過去のセクハラ事件がネックだった橋本新会長にとって、大坂の歓迎コメントは心強かったはず」

 心強いといえば、全豪V後の彼女の会見こそ組織委を小躍りさせた。東京大会について尋ねられた大坂は、

〈五輪は私には特別。初めての五輪が東京なんて夢のよう。アスリートなら誰でも楽しみにしていると思う〉

 と発言。世論の8割が反対している五輪の開催を後押しした格好だ。

 そして、

「全米、全豪の勝利は、隔離や検査を強いられる、過去に例のない“ウィズコロナ”の大会に対応できた証。東京五輪も似たような状況になりそうですから……」

 ぜひ旗手と金メダルを!

週刊新潮 2021年3月4日号掲載

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