金萬福さんが仕事終わりに食べに行く鶏肉の「かぶと揚げ」とは 「一度食べたときからやめられない」

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 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第78回は、金萬福さん。今回は「みよしや 本店」に伺いました!!

 バラエティ番組での体を張った調理姿で、お茶の間の人気者となった金萬福さん。実は日本に来たのは“たまたま”だったというから驚きである。

「知り合いだった周富徳さんから、“料理人が足りないから日本においでよ”と誘われていたんだけど、ぼくは弟子を連れてサンフランシスコに行くつもりだったの。でも、香港の店も辞めていたのに、サンフランシスコのほうがダメになっちゃって、それで日本に来たんだよね」

 このとき33歳。次々と有名レストランで腕を振るい、新横浜プリンスホテルの料理長に就任した頃、再び周さんから誘いの声が。

「“テレビに出ない?”って。最初は1、2回、遊びのつもりだったね。けど、気に入られてレギュラーになって、26時間ずっと撮影だとか、中華鍋で水上スキーとか、今では体力的にムリだけど、たのしかったよ。おかげでプリンスホテルには“テレビに出るならうちを辞めてください”って言われちゃった(笑)」

 宇都宮東武ホテルグランデの中国料理「竹園」総料理長として活躍するいまも、“テレビ観てました”と声をかけられることが珍しくない。そんな金さんが、仕事終わりに仲間を引き連れて舌鼓を打つのが、「みよしや」の「かぶと揚げ」である。この店のためだけのひな鳥の半身を、秘伝の油でカラッとジューシーに揚げたもので、味付けは塩、コショウのみというが、コクのある味わいが魅力的。二つ並べると兜に見えるのが名前の由来だとか。

「一度食べたときからやめられなくてね。毎回2個は食べちゃうよ」

 と、金さんのお墨付き。これはもう手掴みでかぶりつくしかありません。「鳥刺し」や「鶏ささみの半生唐揚げ」も、柔らかな肉を堪能できる逸品だ。

 金さんには、来日前に結婚した奥様やお子さんが香港にいる。あまりに長い“単身赴任”だが、普段はLINEで連絡を取り合っているそう。

「昔は毎日国際電話で月に何万円もしたから、今は安くていいよね」

 この明るさが、愛すべきキャラクターの秘密かも。

週刊新潮 2021年2月25日号掲載

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