浮かれ過ぎ「文在寅」、“悲願”の「米韓首脳会談」実現でもバイデンが本音を語らない理由

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韓国には本音を語っていない

 ちなみに、バイデン大統領が文在寅大統領に「対日改善を促した」という内容は日本でも報道されたが、ホワイトハウスの発表にはない。

 ホワイトハウスは現地時間の3日(韓国時間4日)、豪州のモリソン首相や文在寅大統領と行った電話首脳会談の内容をまとめた報道資料を発表。

 豪州との首脳会談については、「中国とどのように向き合うべきか、グローバルで地域的な中国によるさまざまな挑戦に対し、どのように対処すべきかを協議した」と発表。

 一方、日本の菅首相と行った会談に関しては、「中国と北朝鮮のような地域の安全保障問題について話し合った」と説明している。

 しかし、韓国とは「両国首脳が北朝鮮に対して緊密に調整することで合意した」とあるだけで、中国に関する言及はみられない。

 さらに米国は、日本や豪州との同盟においては、中国を牽制する共同戦略の「インド太平洋」という語を使うが、韓国に関しては中立的意味が強い「北東アジア」という表現に置き換えている。

 前出・韓国大統領府の関係者によると、

「米韓首脳会談で、世界の脅威となっている中国問題に関して何も言及しなかったバイデン大統領が、韓国には本音を語っていない証しでしょう。韓国は中国におもねる外交を続けてきた点も見透かされ、新しい首脳関係のしょっぱなからマイナスに働いている状況です」

 バイデン大統領から電話が来たと浮かれる韓国だが(それもだいぶ待ちくたびれてからのだが)、新大統領が各国首脳と行った会談の内容と自国のそれとを比較分析する必要がある。

 そして、文在寅大統領が向かおうとしている道が、平和を望む国々の意向と相反するということに気付かない限り、“韓国”の品位をさらに低下させることになるだろう。

羽田真代(はだ・まよ)
同志社大学卒業後、日本企業にて4年間勤務。2014年に単身韓国・ソウルに渡り、日本と韓国の情勢について研究。韓国企業で勤務する傍ら、執筆活動を行っている。

週刊新潮WEB取材班編集

2021年2月10日掲載

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