朝ドラ「おちょやん」、元宝塚「明日海りお」登場でいよいよ20%の大台か

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 昨年11月30日の放送開始以来、世帯視聴率が一度も20%の大台に届いていないNHK連続テレビ小説「おちょやん」(月~土曜午前8時)。だが、「いよいよ大台か」との声が放送記者らの間で上がっている。その理由とは?(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)

 まず追い風が吹いている。心強い援軍が登場したのだ。2月1日から元宝塚花組トップスター・明日海りお(35)が助演陣に加わった。

 明日海が演じているのは、新派の元トップ女優・高峰ルリ子。ヒロインの千代(杉咲花、23)たちと一緒に新しい喜劇一座「鶴亀家庭劇」に参加するという設定だ。

 宝塚時代の明日海は並みのトップスターではなかった。七色の歌声と美貌で圧倒的な人気を誇り、「トップ・オブ・トップ」と呼ばれた。2019年の退団後、ドラマへの出演は初めてということもあり、300万人以上と言われるヅカファンたちが注目しているはずだ。

 演じるルリ子はどんなキャラクターかというと、いつも舞台の上に立っているつもりらしく、しょっちゅうポーズを取っている。自分のことしか眼中にないようで、人と話す際は相手の顔を見ない。摩訶不思議な人物だが、その分、面白い。

 映画界出身の千代のことは露骨に見下す。「あんなものはお芝居とは違いますわねぇ」。映画は演劇より後発のエンタメ。描かれている昭和3(1928)年のころのヒエラルキーはそうだったのだろう。

 8日以降はルリ子がクローズアップされる。喜劇も蔑んでいたが、徐々に真剣に取り組むようになる、というストーリーだ。

 やはり鶴亀家庭劇に入る漆原要二郎役の大川良太郎(42)も人気者。こちらは大衆演劇「劇団九州男」の座長だ。大衆演劇界の大御所である梅沢富美男(70)と同じく、妖艶な女形に定評がある。朝ドラへの出演は初めて。同じくファンが画面の前で応援しているに違いない。

 さらにプラス材料なのは、第9週に入った2月1日放送から、舞台が大阪の道頓堀に戻ったこと。これまでのデータを見ると、道頓堀編は視聴率が高いのだ。

 週間平均視聴率(1週間のダイジェスト版である土曜日は除く)が最高値の約18・2%を記録したのは、千代が故郷の南河内村から道頓堀に出て来た第2週(昨年12月7日~同11日)だった。

 道頓堀編が続いた第4週(同12月21日~同25日)まではずっと18%台をキープ。いつ大台に達しても不思議ではない状況が続いた。

 ところが第5週(1月4日~8日)に舞台が京都に移った途端、17%台に落ちた。ワースト視聴率の16・9%も京都編の1月11日で記録されている。ところが2月1日に道頓堀に戻るとたちまち18・4%にまで伸びたのである。

 道頓堀編と京都編ではキャストも設定も大きく違う。どうやら多くの視聴者には道頓堀編のほうがしっくり来るようだ。

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