巨人の「DH制」主張に他球団から顰蹙 自分たちに都合の良い制度変更を行ってきた歴史

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 セ・リーグの理事会が1月19日に行われ、巨人から「DH制導入」が提案されたが、反対多数で見送られた。巨人は昨年12月14日の理事会でも導入を提案したが却下されていた。

 大手紙デスクが苦笑する。

「巨人、とりわけ原監督がDH制導入を声高に叫ぶのは、今に始まったことではありませんけどね」

 周知の通り、昨年の日本シリーズで巨人はソフトバンク相手に2年連続4連敗という屈辱を味わった。その際も、パが強い理由として“DH制”が挙げられたのは記憶に新しい。

「特に投手力に差が出ると言われます。パの投手は“9番ピッチャー”を相手にするという楽ができず鍛えられると。セは、好機で投手に打順が回ると代打を送られるので、完投型の大型投手が育たないとも」(同)

 もっとも、巨人がDH制を切望する理由は“対パ”戦略だけではなさそうだ。

「DH制は余計に1人選手を雇わないといけない。つまり、巨人のような金満球団が有利なんです」(同)

 実際、DHに適した選手、端的に言えば外国人野手をセで最も多く擁しているのは、既に4人が籍を置く巨人に他ならない。

 さる球団関係者は、

「巨人は“コロナによる選手の負担を軽減するため”と言いますが、来季の編成が終わったタイミングで制度変更を言い出すなんて我田引水も甚だしい。その厚顔ぶりに他の球団は呆れ果てていますよ」

 12月には理事会に先立ち、山口寿一オーナー名で“DH制導入を提案する”旨のリリースを報道陣に配布した。これも他球団の顰蹙を買った。

「だってそれは理事会で主張すればいいだけの話でしょ。それをわざわざ外向きにアピールして……」(同)

“私は改革したいのに他の奴らの頭が固くて……”と言わんばかりというわけだ。

「ドラフトの逆指名制度やFA制度など、巨人は常に自分たちに都合の良い制度変更を行ってきました。でも、もう巨人の思うがままになる時代ではなくなっています」(先のデスク)

週刊新潮 2021年2月4日号掲載

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