日本のコロナ対応は世界から称賛されている……英国在住の日本人が“海外の声”を紹介

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マスクをめぐり殺人事件

「日本では、ダイヤモンドプリンセス号でのコロナ対策がまずかったかのように報じられていますが、海外はそうは見ていません。プリンセス号では感染者をレッドゾーン、非感染者をグリーンゾーンに分けて隔離していました。これが高く評価されています」

 そもそもマスクをつける習慣のない欧米では、マスク着用を義務化することにかなりの抵抗があったという。そのため、日本ではあり得ないことが起きた。

「フランスでは、マスクをめぐって殺人事件も起きています。2020年7月、フランス南西部バイヨンヌで、マスクをつけないままバスに乗ろうとした4人組の乗車を拒否した運転手が、暴行を受けて亡くなっているのです。こうした事件はフランス全土で相次ぎ、パリ郊外の都市ヌイイ=シュル=マルヌでは、バスの中でマスクをつけていなかった16歳の少年2人に注意した若い女性看護師が暴行を受ける事件が起きました」

 コロナ対応を巡る日本式経営も高く評価されている。

「欧米の航空会社は、コロナ危機が起きると、従業員を数万人単位で解雇しています。パイロットや整備士もクビです。ところが日本では、JALもANAも従業員を解雇していません。たとえば、ANAは防護服を製造する仕事にクルーを回しています。この話は欧州で報道され、『なんと情があって、柔軟な対応なんだ!』と驚かれています。従業員を守る日本式の経営が高く評価されているのです」

 全国民への一律10万円給付も欧州で話題になった。

「赤ん坊からお年寄り、日本に住んでいる外国人まで、資産や収入の審査もせず、一律10万円を給付したことが欧州で報道されました。私の友人は『10万円、10万円、ミスターアベはナイスガイ!私は日本に移住したい!』と言っていましたね」

公衆衛生の知識が欠如

 コロナ禍でもイギリスでは日本食が爆売れしているという。コロナの死者数が少ない日本の食生活にあやかろうとしているのだ。

「中流以上のイギリス人が御用達にしているスーパー『Waitrose』が運営するWebサイトがありますが、ここで日本食の検索数がコロナ禍以前と比べて53%増加しています。イギリスの保守系新聞『The Daily Telegraph』には日本食のレシピが掲載され、『National Geographic』は味噌の5つの使い方という記事を掲載していました」

 谷本氏は、欧米でコロナ死者が増加しているのは、公衆衛生に対する意識が欠如しているからだとみる。

「日本では、食事前の手洗い、外出後の手洗いとうがいなど幼い頃から幼稚園や学校などで指導されています。いかにばい菌やウイルスが危険か、子どもの頃から教育されています。欧州では、公衆衛生への知識が欠如しているのです。イギリスでは高級デパートでさえ、トイレは不潔で、床に尿が溜まっていることも珍しくありません。それを平気で踏んで、土足のまま家に入ります。家にはカーペットが敷かれていますが、見るとシミ、ホコリだらけです。子どもは汚れたカーペットの上に座り込み、遊んだりします。その後、手洗いもせずケーキを食べたりしますからね」

 昨年12月、谷本さんの子どもが手を怪我したため、病院へ行った時のこと。

「病院の受付の人は、マスクをしていないのです。そして医師もマスクをせず、ソーシャルディスタンスをとらず、平気でおしゃべりしていました。これでは駄目だと思いましたね。思わず日本に帰りたくなりました。日本人は、コロナ対策で世界から絶賛されていることを知るべきです。日本のメディアも、きちんと報じるべきですね」

デイリー新潮取材班

2021年2月2日掲載

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