NHK紅白、「実は収録でした」の後出しはどうなのか もう「SONGS」の別撮りを流せば?

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

「SONGS年末スペシャル」と同じ

 とはいえ、4歌手の事前収録を許したのは、ひとつの前例を作ってしまったのも事実。

「今回はコロナのため無観客だったので、収録放送も不自然ではなかった。ただこれにより今後は、収録を出場の条件にしてくる歌手が出てくるでしょう。そうすることのメリットもあるにはあります。井上陽水や小田和正、松山千春、山下達郎ら、これまでに出演していない大物歌手でも説得が可能になるでしょうし、NHKのレギュラー音楽番組の『SONGS』との抱き合わせでの出演交渉もできる。『SONGS』で録った未放送分を『紅白』で流すことだって十分に考えられます。とはいえ、プロデューサーが事前収録で放送することに全く問題意識を感じなかったとしたら、もはや『紅白』の終わり。『SONGS年末スペシャル』と同じですからね」(同)

 視聴者の中には「別に生である必要がない」という声もあるだろう。だが、東京ドームライブと並行し、紅白に「生配信」出場した嵐のように、リアルを大事にする歌手の努力を無視はできない。ベテラン歌手にとっても、一人だけライブ感を無視した形での“出場”は、得にならないはずだ。

 音楽評論家の富澤一誠氏はこう言う。

「事前録画を後になってから『実は……』と言うのは他の歌手に対しても失礼だし、NHKもフェアな対応だったとは思えません。以前でしたら『ヤラセ』として批判された恐れもあります。おそらく玉置浩二の場合は不安な要素があってのことだったかもしれませんが、だったら、最初からそう説明したらいいだけの話だった。いずれにしても『紅白』は既に賞味期限切れだと思っていましたが、いよいよ止め時を考える時期になったのかもしれませんね」

渡邉裕二(わたなべ・ゆうじ)
芸能ジャーナリスト

週刊新潮WEB取材班編集

2021年1月26日掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。