大江麻理子「WBS」が「報ステ」と対決へ テレ東の練りに練った戦略にテレ朝はピンチ

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予算削減ができる

 もっとも、テレ東の狙いは「報ステ」に勝つことだけではないという。

「実は、テレ東の狙いは、年間視聴率でフジテレビを抜き、民放4位の座を狙うことなんです。そのために、番組スタート以来33年間、23時スタートだった『WBS』を1時間早めるという攻めの編成タイムテーブルを組んだのです。テレ東は、昨年のコロナ禍により、報道番組の視聴率がどれもアップしていることに着目し、“大胆な編成タイムテーブルに変更したい”と社内で協議を重ねてきたそうです」

 だが、そこには大きな壁があったという。

「23時スタートの『WBS』が22時に引っ越すには、これまでに放送していた22時の番組にどいてもらわなくてはなりません。現在、テレ東で放送されている22時台の番組は、ビートたけしさんと国分太一さんの『ニッポンのミカタ!』や、村上龍さんの『カンブリア宮殿』など意外にも大物が多いんです。これらすべての番組が納得しない限り、『WBS』の枠移動は成立しないのです」

 交渉は、昨年夏から進められたという。

「よく調整できたなと思いますよ。ようやく成立する兆しが見えたのは昨年末、ついに発表できることになったそうです」

 単純に放送時間が変わるだけでなく、『ニッポンのミカタ!』は一端終了、新番組として出直す番組もあるという。それにしても、放送時間の引っ越しがそれほど大変なのだろうか。

「22時スタートだった番組が23時台になるということは、いわば降格。ですから、制作費も出演者のギャラも安くなることを飲んでもらわなければならないわけです」

 そこでテレ東の、もう一つの狙いが浮かんでくるというのだ。

「ズバリ、制作費の削減です。テレ東の編成には算盤をはじける切れ者がいるのでしょう。『WBS』を22時に繰り上げれば、これまでの22時台の制作費が丸々浮くことになる。テレ東とはいえ、プライム帯の番組にはそれなりのクオリティが求められますから、1000万円は下りません。月曜のドラマ枠“ドラマプレミア10”など、昨年放送された『共演NG』は、原作が秋元康、キャストには中井貴一と鈴木京香、斎藤工、リリー・フランキー、里見浩太朗と豪華でした。25日スタートの『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~』など香取慎吾と山本耕史ですからね、3000万円程度かかるんじゃないでしょうか。その他に、たけしさんはいるわ、ジャニーズはいるわで、月~金曜を少なく見積もっても、週8000万円。年間で40億円です。この巨大な予算を削減できるのは大きい」

 22時に移る「WBS」は、大江アナはじめ多くはテレ東社員であるから、予算は変わらないという。

「しかも『WBS』のスポンサーは、空き枠待ち状態と聞きます。経済ニュースに特化して固定客を持つ『WBS』を22時で放送したほうが、テレ東の財政にとってよっぽどいいわけです。これで『報ステ』に迫ることでもできれば、一石二鳥。フジを追い抜けば一石三鳥です」

 テレ東、恐るべし。

週刊新潮WEB取材班

2021年1月25日掲載

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