NHKが東京五輪開催を討論する特番を急きょ中止 菅首相や森会長に忖度か?

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 新型コロナの感染拡大のため、今年に延期された東京五輪。7月23日の開会式まで200日を切り、聖火リレーのスタートは3月25日と2カ月後に迫っている。ところが、コロナの勢いはとどまるどころか、東京など11都府県では緊急事態宣言が再び発令される始末だ。そんな中、NHKは「NHKスペシャル」で「令和未来会議 どうする?東京オリンピック・パラリンピック」という討論番組を企画していた。1月24日の放送予定だったが、急きょ別番組に差し替えられた。一体何があったのか。

 ***

 1月7日には1都3県に緊急事態宣言が発令され、今年の東京オリンピック開催は無理ではないのか、といった悲観の声が、国内はむろん海外からも出ている。

 共同通信社が1月9~10日に行った世論調査は、以下の結果になった。
●開催すべき:14・1%
●再延期すべき:44・8%
●中止すべき:35・3%

 NHKが1月9日~11日に行った結果は以下の通り。
●開催すべき:16%
●再延期すべき:39%
●中止すべき:38%

 いずれも開催すべきという声は2割にも満たない。一方、再延期すべき、中止すべきという声は合わせて8割。つまり、今年の開催は無理と思っている人が大多数となっているのだ。

「世論調査にはタイミングと条件がある」

 だが、この結果に憤慨したのが、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)である。

 1月12日、森会長は都内で組織委員会の職員に対する年頭挨拶と共に、「さあ、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックだ。」との演題で講演を行ったが、その中で世論調査にケチを付けたのだ。

森:世論調査を無視しろとは言わないが、調査にはタイミングと条件がある。今のコロナで、こういう騒ぎでやっている時に、「オリンピックどうですか?」と聞かれたら、何と答えますか。答えようがないでしょう。まして一般国民が“明日、子供や孫の成人式が中止になった”、“来月、結婚式の予定をどうしようか”と、そういう時期に、なぜあえてこういう「五輪をやるべきか」「延期すべきか」「中止すべきか」という世論調査をするのか。世論の動向を見るのは大事なことだけれど、これをこうして発表しなければならんのかなと、私には疑問がある。

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