「麒麟がくる」で長篠の戦いがスルー クライマックス「本能寺の変」は大丈夫か

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 大河「麒麟がくる」も残すところあと4話。クライマックスの本能寺に向けて、スピードを上げている。ところが、あまりに急いだせいか、歴史上重大な出来事がスルーされてしまっている。日本の軍事史上でも重視される長篠の戦いだって、たった一言で終わってしまったのだ。どうなる麒麟、大丈夫か?

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 12月20日の第37話では、武田信玄(石橋凌)の急逝が判明した。昨年最後の第38話では、織田家と武田家との間に何も起こらなかった。「年が明けたら、いよいよ長篠か」と期待した大河ファンは少なくなかったはずだ。

 そして新年一発目、3日放送の第39話では、徳川家康(風間俊介)に正室・築山殿(小野ゆり子)がこう愚痴った。

「長篠の戦い以来、織田様はこの三河には一顧だにせぬご様子……」

 え! 長篠の戦い、いつの間に終わっちゃったの? これにはメディア文化評論家の碓井広義氏も驚いたという。

「長篠の戦いといえば、織田信長(染谷将太)にとってエポックメーキングですからね。史実としては様々な見方があるようですが、大河ファン、時代劇ファンにとっては、史上最強といわれた武田騎馬軍団を、織田・徳川連合軍が鉄砲三段撃ちという最新兵器を使って圧勝する重要な戦いです。旧時代VS.新時代を象徴し、時代が変わるポイントなんです。いくら主人公が明智光秀(長谷川博己)だからといって、これをスルーするとは思いませんでした」

鉄砲のスペシャリスト

 光秀は、長篠の戦いに不参加だったという説もあるようだ。

「そうはいっても、『麒麟がくる』の光秀は、まだ斎藤道三(本木雅弘)の家臣だった頃から近代兵器に明るく、道三を説き伏せて、岐阜から堺まで鉄砲を購入しに行くわけです。そこで松永久秀(吉田鋼太郎)や三淵藤英(谷原章介)との出会いもあり、その関係が続いてきた。鉄砲に関しては、道三に教授したり、信長の家臣となってからも再び買い付けに行くなど、スペシャリストであることが強調されてきました。当然、視聴者も長篠の戦いでは光秀が戦法の立案者として活躍する伏線だと思っていたはずです」

 それが完全にスルーされたのだ。

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