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令和の巌流島の決戦に勝利した阿部一二三 歴史に残る名勝負の陰に「女性花火師」あり
ぜひ見たい試合だったが全日本柔道連盟(全柔連)による新型コロナ対策の厳しい取材人数制限で報道参加できなかった。「柔道の総本山」とはいえ講道館(東京都文京区)はビジネス街の普通のビル程度で狭い。といって五輪代表を決めるとはいえ「ワンマッチ」のために立派な武道館などを使うわけにもゆかない。フリーランスが参加できないのは無理もない。無観客試合で観戦できたのは両選手のコーチ、家族など限られた人だけだった。
12月13日夕刻、「令和の巌流島決戦」と形容された阿部一二三(パーク24、23)と丸山城志郎(ミキハウス、27)による男子66キロ級の五輪代表を決める特別試合が行われた。...
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そして、リヴェンジは果たされた――「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」(書評:平野啓一郎)
木村政彦は、生き恥さらした男である。――武田泰淳の『司馬遷』の有名な冒頭に倣ったそんな一文が、私の頭を何度か過ぎった。
司馬遷は、恐るべき恥辱を受けた後に、「徹底的に大きな事を考え」、成し遂げた。彼は『史記』を著し、歴史を書いた。木村政彦は無論、歴史を書いたわけではない。歴史を書いたのは、彼を心から敬愛し、その恥辱を我が事として受け止めた著者の増田俊也氏である。物々しいタイトルに怯む事なかれ。これはまさしく魂の仕事である。...
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